iPS誤報問題:読売新聞、編集局長ら7人処分

毎日新聞 2012年10月26日 11時14分(最終更新 10月26日 12時01分)

 読売新聞東京本社は26日、日本人研究者の森口尚史(ひさし)氏(48)が人工多能性幹細胞(iPS細胞)を臨床応用したと誤報した問題で、大橋善光専務取締役編集局長ら関係者7人を処分すると発表した。

 同社は、大橋編集局長と溝口烈(たけし)執行役員編集局総務について、役員報酬・給与の2カ月30%を返上する処分とし、柴田文隆編集局次長兼科学部長を給与を一部減じる罰俸とし更迭。記事掲載当日の編集責任者だった編集局デスクをけん責、科学部のデスク2人を罰俸、担当記者をけん責の処分とする。いずれも11月1日付。

 同社は26日朝刊で処分を掲載し、全面1ページを使った検証紙面も掲載。記事によると、編集局に検証チームを設けて森口氏から約30時間再取材し、25人の専門家に意見を聞くなどして事実関係を確認。心筋移植と過去の研究に関する記事の計7本(東京本社発行版)のうち、6本は森口氏の虚偽説明による誤報と判断した。

 判断理由については、森口氏が記者に渡した心筋移植の動画は盗用と判明▽再取材でも実験記録などを示さず▽専門家が、森口氏の主張する手法はありえないと指摘−−などとした。心筋移植については、取材した記者が「動物実験の論文が未公表」など自ら感じた疑問6点を担当デスクにメールしたが、記者はデスクから特段の指示がないため「疑問点は解消された」と思い込み、デスクらは「記者が裏付けを取っているはずだ」と誤解したという。

 大橋編集局長は「裏付け取材の甘さに弁明の余地はない。全力で再発防止策に取り組んでいきます」とコメントした。

 森口氏を巡っては、過去に有名科学誌に投稿した論文についても虚偽の肩書や盗用が指摘されている。所属していた東大付属病院や、研究費を助成していた内閣府などが、森口氏の過去の業績などについて検証を行っている。【袴田貴行】

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