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2012年10月26日12時21分

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読売新聞、編集局長ら処分 森口氏の記事「6本誤報」

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)の臨床応用をめぐる誤報問題で、読売新聞社は「研究実態や肩書などの裏付けが不十分だった」として、これまでに森口尚史氏の研究について掲載した記事7本のうち6本を誤報と判断し、大橋善光専務取締役編集局長(58)ら7人を処分することを決めた。26日付朝刊に掲載した。

 読売新聞社が誤報としたのは、今月11日付朝刊の「iPS心筋を移植」など一連の心筋移植関係の記事のほか、凍結保存したがん患者の卵巣の一部を約4年後に解凍し、人工授精で妊娠に成功した研究の記事(今年7月掲載)など、2009年9月〜12年10月の6本。抗がん剤イレッサによる延命効果は遺伝子などによって左右されるとした記事は、誤報でないと判断した(06年2月掲載)。

 読売新聞社は大橋専務と溝口烈執行役員編集局総務(54)を役員報酬・給与の2カ月30%返上、柴田文隆科学部長(52)を減給にあたる罰俸とし更迭、当日の編集責任者だった編集局デスクを譴責(けんせき)、科学部デスク2人を罰俸、担当記者を譴責とする。処分は11月1日付。

 読売新聞社は、紙面上で誤報を生んだ背景を検証。今回の記事については、記者が「動物実験の論文が未公表」「世界的大発表がポスター発表にとどまっている」などと疑問を感じながらも、専門家1人に見解を求めただけで疑問が解消されたと思い込んだ。メールで情報を共有していたデスクらは「記者が裏付けをとっているはずだ」と誤解し、詳しい説明を求めなかったとした。

 読売新聞社の大橋専務は紙面で「裏付け取材の甘さに弁明の余地はありません。二度とこのような事態を生じさせないよう、再発防止策に取り組んでいきます」とコメントした。

■産経新聞も処分

 産経新聞社は25日、森口尚史氏がiPS細胞を臨床応用したと誤報した問題で、飯塚浩彦取締役東京編集局長(55)と片山雅文取締役大阪編集局長(52)の管理責任を問い、減俸処分とした。紙面編集の実務責任者の編集長3人は譴責(けんせき)処分とした。26日付朝刊に掲載した。

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