マット安川 今回ゲストに宮崎正弘さんを迎え、中国は領土問題から経済、現状など、現地取材したから分かるさまざまをお聞きしました。28年前から今の中国の軍事力拡張を予見していた宮崎さんの分析は見逃せません。
習近平国家副主席は官制反日デモの指揮を執っていた
評論家、作家。国際政治・経済の舞台裏を解析する論評やルポルタージュを執筆。中国ウォッチャーとしての著作の他、三島由紀夫を論じた著書もある。近著に『オレ様国家 中国の常識』『2012年、中国の真実』『中国が世界経済を破綻させる』など。メールマガジン「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」を発行。(撮影:前田せいめい、以下同)
日本は9月11日、尖閣諸島を国有化すると宣言しました。私はたまたまその日に遼寧省の瀋陽にいて、新聞が反日一色になっているのに気づき、アレっと思いました。
瀋陽には柳条湖事件の記念館(九・一八歴史博物館)があり、パトカーが警戒していました。日本領事館も道路を封鎖して厳しい警備を行っていた。それで、これはやるなと思ったんです。9月18日に向けてやるなと。
9月18日というのは柳条湖事件の日で、中国人にとっては屈辱の日です。実際に反日デモが本格化したのは14日頃からで、18日にピタッと止まりました。
一方、9月1日から2週間ほど公の場から姿を消していた習近平(中国国家副主席)さんが15日に突然、北京の中国農業大学に視察で現れた。
これは自分は農民の味方である、という宣伝のためですが、実は習近平は姿を消している間、反日デモの準備をしていたんです。どこで何をやるかという命令をしていた。
その命令が下部組織に伝わると、お前の所からは10人出せ、20人出せということになる。そして、バスは何時何分にどこに来るから乗れと。バスを降りるとTシャツやペットボトルの水が配られ、弁当も用意されている。
日本領事館の前まで行くと生卵が準備されていて、「1人2個まで」と書いてある。デモを終えて帰ってくると解散場所で日当が配られる。農民はだいたい50元もらったらしいです。日本円で約700円ですが、中国では7000円くらいの価値がある。
そのデモを見物に来ていた連中が、面白そうだと参加してデモが膨らんだ。それが実態です。日本のメディアは、中国人は根っからの反日みたいに報道していますが、そんなことはまったくありません。
中国は100年かけても尖閣諸島を奪いにくる
尖閣諸島について、中国軍は50年かかろうが100年かかろうが必ず奪いにきます。それは彼らの望みだからです。
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