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平成24年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文 (中屋敷慎一議員)

印刷用ページを表示する 掲載日:2012年7月13日更新

PTA会費等の使途の明確化について

 中屋敷慎一議員(刷新の会)

 5月23日の新聞によると、全国の公立学校でPTA会費など保護者からの徴収金が、公費で賄うべき教員の出張費などに支出されていた問題で、滋賀、和歌山、大分の3県教育委員会が今年度中に徴収金の使途を明確に示す基準を策定することを決めたとの報道がされていました。こうした不適切な支出を改める動きは、文部科学省が全国都道府県教育委員会に対して徴収金の使途についての報告提出を求めたことにより始まったもので、私はこうした文部科学省の取組は高く評価するところですが、同時に、今までこうした動きがなかったことにも驚きを感じています。
 さて、全国で物議を醸しているPTA会費の使い道には、沖縄県の県立高校では早朝に授業を行った教員への謝礼がPTA会費で賄われていたという例や、山口県の県立高校では保護者から徴収した金が樹木の手入れやネットの補修整備費に充てられていて県監査委員から改善を求められた例や、大阪府岸和田市の市立中学校では、PTA会費がグラウンド整備費や教員出張費に使われていた例などがあります。
 私自身も小学校のPTA会長を務めていたときに、校長先生から学校運営について非常に困っている旨申出を受け、PTAの会計の中に教育支援金という科目を設け、支援体制を作りました。もちろん、この支援金の使い道については決算時に学校側から報告を受け、PTA総会で審議することとしていました。そして、この支援金を創設するときの会議でも、保護者から徴収したPTA会費を支援金とする前に、市教育委員会に要望するべきとの意見も出ていました。
 さて、本来施設の修繕費や人件費は公費で賄われるべきだと考えますが、教育の現場はそれほどまでに困窮状態にあるのでしょうか。本県県立高校の状況について、教育長にお尋ねします。
 また、不適切な支出を生じないためには、明確な使途基準を持ち、いつでも情報を開ける体制を整えておく必要があると考えます。一人一人の保護者から徴収する金額は小さなものでも、集めれば大きな金額になるPTA会費などの徴収金。だからこそ、健全性を保ち、公費で賄うべき部分との一線を画すためにも、明確な使途基準の策定が求められるのではないでしょうか。そこで、現在本県県立高校においては、PTA会費など徴収金と公費との使い分けについて、明確で統一的な基準が定められているのかどうか。そして、未整備であるならば今後どう対応していくのか。加えて、同様な事態も生じているであろう小中学校の状況はどうなっていて、県教育委員会としてどう対応していこうとするのか、教育長にお尋ねします。


 前島富雄 教育長

 まず、「施設の修繕費などの県立高校の状況について」でございます。
 施設の修繕など県立高校の学校管理費については、教育活動に欠かすことのできないものと考え、厳しい財政状況ではありますが、平成24年度については、約56億1千3百万円と前年度と同水準を確保しております。
 こうした中、各高校においては、生徒の学習環境を維持することを最優先に、様々な工夫を凝らしながら経費の節約に努めております。
 また、機械警備の委託や生徒用机・椅子の購入など、学校共通の経費については県教育委員会において一括して契約するなど、経費の節減を図り、円滑な学校運営に必要な予算の確保に努めております。
 次に、「PTA会費など徴収金と公費の使い分けについて明確で統一的な基準について」でございます。
 県では、PTA等の会計が適正に処理されるための学校としての留意事項として、会計の明確化や保護者への十分な説明などを内容とする「団体会計についての指導要領」を、平成16年3月に策定いたしました。
 各学校の特色や保護者の要望などは多様でありますが、学校ではこの要領に基づき、使途も含めて団体会計が適正に処理されるよう努めてまいりました。
 また、県におきましては、公費で賄うべきものについては、安易に後援会などの団体会計に頼らないよう指導してまいりました。
 今後は、校長会などあらゆる機会を通じて、公費とPTA会費等の適正な使途について、指導を一層徹底してまいります。
 次に、「小・中学校の状況と県教育委員会の対応」についてでございます。
 小・中学校のPTA等の団体会計については、それぞれの団体の規約に基づき運営されているものでございますが、県としては、学校訪問の際に会計事務が適正に処理されるようにお願いしてまいりました。
 この取組を引き続き行うとともに、今後さらに、PTA会費を含む会計事務が適正に処理されるよう、市町村の指導主事を対象とした会議やPTA役員の研修会などの機会を通じて働きかけてまいります。


・上記質問・答弁は速報版です。
・上記質問・答弁は、正式な会議録とは若干異なります。