- [PR]
政治
【主張】石原新党 新憲法への流れ歓迎する 首相は年内解散を決断せよ
石原慎太郎東京都知事が知事を辞職し、新党を結成した上で国政に転じる意向を表明した。
石原氏は占領下に制定された現行憲法を「解決しなければならない主要矛盾」と指摘し、新しい憲法を作るべきだと訴えた。官僚制の打破とともに、憲法改正を次期総選挙の最大の争点に据えて戦う意思を強調した。
現在の政治の閉塞(へいそく)状況を転換しようとする石原氏の行動を高く評価したい。氏が投じる一石は、新たな政治状況をダイナミックに創出する意味を持ち、憲法改正を求める保守勢力を結集する重要な核となり得るからだ。
≪権利義務の均衡を欠く≫
野田佳彦首相も「私は新憲法制定論者」と自著で語っていた。石原新党を機に、国家的課題の解決に向けて、衆院の年内解散・総選挙を速やかに決断するときだ。
石原氏は現行憲法の矛盾点として、国民の意識に絶対平和という共同幻想を植え付け、権利と義務のバランスを失した「権利偏重」の規定が「日本人に我欲を培い、利己的にした」と指摘した。
今年5月3日の憲法記念日までに、自民党は自衛隊を「国防軍」とし、石原氏と行動をともにする「たちあがれ日本」は「自衛軍」とするなど、それぞれの憲法改正案を公表した。「みんなの党」も「自衛権の在り方」を明確化するとしている。
橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会」も憲法改正を必要とする首相公選制などを打ち出した。にもかかわらず、民主党は平成17年に国民的議論の素材となる「憲法提言」を策定して以降、新たな憲法案を出していない。
これらの問題提起を野田政権も真剣に受け止め、早急に具体的な改正案をまとめる必要がある。
関連ニュース
- [PR]
- [PR]