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DOL特別レポート
【第120回】 2010年12月20日
著者・コラム紹介バックナンバー

“短時間睡眠本”や“朝活本”にだまされるな!
6時間半未満の睡眠では早死リスクが急増!?
“脳科学の最高権威”と“脳科学おばあちゃん”が
はじめて明かす、超「朝活」法

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――それだけ人間にとって、毎日の睡眠が重要だということですね。H・Mくんはその後どうなったのでしょうか?

 20時間ほど寝たら、また回復し、元気に帰っていきましたよ。

 普通に生活していても、どうしても一時的に寝る時間を削ってやらないといけない仕事だとか、勉強というのもあります。そういうときは、睡眠時間が短くなるのもやむを得ないでしょう。人間には「ホメオスタシス」といって、常に身体の状態を一定に保とうとする働きがあるので、仕方なく、短時間睡眠を余儀なくされても、その後十分に寝れば、心身は回復するものです。

 それでも、毎日元気よく、健康で生活したいと願うなら、十分な睡眠、適度な運動と食事を摂って規則正しい生活を送ることをお勧めします。

「黄金の睡眠時間」はズバリ、
6時間半~7時間半未満

――十分な睡眠というのは、どれくらいなのでしょうか?

 それについては2000年以降、研究や調査が進み、「7時間睡眠(正確に言うと、6時間半以上7時間半未満)」が心臓血管系の病気にも糖尿病にもなるリスクが一番低く、最も長生きできる、ということが明らかになりました。

 また、肥満になる確率も低い、ということがわかったのです。この「7時間睡眠」についてはいろいろな研究者が実証したもので、唯一信頼するに値する、まさに「黄金の睡眠時間」だと言えます。

 4時間や5時間といった短時間睡眠を推奨されている本がありますが、読んでみると、その根拠となる論文を読み違えていたり、科学的に実証されていないものがほとんどでした。

――短時間睡眠だと、病気になるリスクも高くなり寿命も縮まる、ということですね。でも、通勤時間も長いですし、平日に7時間もの睡眠はなかなか取れないですよ、先生。

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