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コラム

たとえば量子論はこう理解する

感じる科学、さくら剛著、1,365円、サンクチュアリ出版

2012/10/06 00:00
浅沼ヒロシ=ブック・レビュアー
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 本書に登場する量子論の「コペンハーゲン解釈」は、その最たるものである。

 理系人間のTech-On!読者はすでにご存じの方も多いと思うが、念のために説明すると、コペンハーゲン解釈というのは、「見ていないときの電子の状態」についての考え方である。

 少し長くなるが、著者の解説を引用させていただく。

 誰にも観測されていないとき、電子は1カ所にあるのではなく、「A地点にいる」という状態と、「B地点にいる」という状態が重ねあわせになっています。A地点とB地点だけでなく、C地点やD地点にH地点、存在する確率があるすべての位置において、一つの電子が重ね合わさっているのです。

 一つの電子が「分割されている」ということではありません。なにしろ電子は「これ以上分解でぎない最小単位の粒」である素粒子だからです。

 じゃあどういうことですか?

 もしかして、「A地点とB地点の、両方ともに同時に存在する」ということですか? ……いいえ、そうではありません。そうではなく、重ね合わせなのです。

 それなら、「A地点とB地点の間を超高速で異動していて、本当は一瞬一瞬はどこか1カ所にしかいないのに錯覚で両方にいるように見えている」ということですか?? ……いいえ、それも違います。そうではなく、重ね合わせなのです。  とにかく、重ね合わせなのです。重ね合わせといったら重ね合わせなのです。

 以上の引用は科学的には正しいかもしれないけど、こんなヘンな状態、どうやって想像すりゃいいの?

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