たとえば量子論はこう理解する
感じる科学、さくら剛著、1,365円、サンクチュアリ出版
たとえば、特殊相対性理論の「動いている物体の中では時間が遅れる」という法則を、「移動中のロケットの搭乗員が早口で『全速前進!』と叫んだとしても、外の人間からは『ぜ〜〜ん〜〜そ〜〜く〜〜ぜ〜〜ん〜〜し〜〜ん〜〜〜〜』と、戦場のカメラマンのように見える」、と説明する。
もう一つ、特殊相対性理論の「高速移動中の物体は重くなる」ことを、「たとえば走塁中のイチロー選手がずんずん加速して光速に近づくと、体重もぐっと増えてあっという間に1トンから10トンへ、さらに光速に迫れば迫るほどもっともっとひたすら無限に重くなっていきます」と説明する。
ちょっと聞くと、小学生がふざけているように聞こえるたとえ話だが、「戦場のカメラマンのようなゆっくりしたしゃべり」や、「走塁中のイチロー選手がずんずん重くなる」ことを想像すると、特殊相対性理論の世界がイメージしやすくなる。
無味乾燥な教科書的表現では思い描けなかったのに、頭のなかに絵が浮かんでくるから不思議だ。
何しろ、最新科学の成果というのは、常識では考えられない結論が多すぎるのだ。
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