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『原発再稼働・理想と現実の狭間』(5)

   『原発再稼働・理想と現実の狭間』(5)
 
 昨日の民主・自民・公明3党の「原子力安全行政を一元的に担う新組織を巡る法案」の修正協議で『原発を原則40年で廃炉』する関連法案の規定を維持する方向で合意しました。
 
 3党は新組織の形態や緊急時の首相の権限では大筋合意しており、今国会での法案成立のメドが立った。「原子力規制庁」より独立性の高い「原子力規制委員会」を設置する自・公案を受け入れました。
 
 そして、自民党は当初『原発の40年廃炉規制』を明記する事を反対していましたが、新設する「原子力規制委員会」で、この規定を再検討する余地を残すことで歩み寄りをみせました。
 
 これで、大飯原発3・4号機の再稼働に向けた手続きが大詰めを迎えるなか、地元自治体などから「原子力規制組織の早期設置」を求める声が強まっていた。修正協議が合意した事で一歩進んだのです。
 
 政府・民主党は規制庁については修正協議をを通じて設置される「原子力規制委員会の事務局」として位置づけ、今後、同委員会の判断で『原発40年廃炉規制』は確定する事になりました。
 
 現在稼働可能な原子炉は、これで10年後には19基が廃炉になり20年後には殆んどの原発が廃炉に向かうでしょう。残り少ない稼働期間で耐震設備や厳しい規制をクリアする投資は採算に合わない。
 
 現実に「浜岡原発1・2号機」は稼働可能期間と防災設備の投資・採算を考え、自ら「廃炉」を決めています。今後も当然、厳しい耐震・防災投資と採算を考えれば、老朽原発は廃炉に追い込まれます。
 
 新再生エネルギーの進歩に伴い、20年後の原発に採算性があるとは考えられません。「使用済み核燃料処理問題」を解決するには莫大な「原発投資」必要になります。投資効率が良いとも思えません。
 
 原発が無ければ「国民の生活が守れない」とは、到底思えません。原発による電力供給が経済効率を良くするとも思えません。原発がが無ければ「電気料金」が高騰するとも思えません。
 
 勿論、原発を廃炉する費用は掛かりますが、電力を供給する為の費用は、原発に依存する社会で有るよりは、軽減されるでしょう。例えば、太陽光発電等再生自然エネルギーには燃料費が無いのです。
 
 重油等発電に要する燃料費が高騰し、それに伴う電力料金が値上げになると脅かすのは、原発を維持したい為の「原子ムラ」の人たちの策謀です。寧ろ、20年後には電力生産費は廉くなるでしょう。
 
 日本人の英知と技術は世界に冠たる実力を擁しています。安全な発電網が完成。全国に自由に選択できる電力供給会社が誕生し、原発に変わって、安価で安全な電力が充分供給されることでしょう。
 
 『原発40年廃炉規制』とは、40年後の事ではありません。10年後に19基。20年後には殆んどの原発が確実に廃炉に追い込まれます。将来、日本を背負って立つ若者たちの安全のために・・・。
 
 『理想と現実の狭間』で、日本人は叡智の限りを尽くして、近い将来、原発の無い安全な国土を創り上げて行きたいと思います。現実の厳しさも承知しています。しかし、理想を失ってはなりません。
 
                               熱海の爺

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