『原発再稼働・理想と現実の狭間』
『原発再稼働・理想と現実の狭間』
昨夜、野田総理は「大飯原発・再稼働」を容認する発言を行いました。一国の総理大臣としては、現実の問題として止むを得ない判断だと思います。しかし、原発が絶対に安全だとは思いません。
昨年の福島第1原発の事故を考えると、今後も原発が存在する限り、事故が起きる可能性は残ると思います。現在の科学技術では「原発を完全に制御」する手段を持ち合わせていないのです。
とすれば、人智を超えた事故が起きる可能性を否定することは出来ません。理想論としては「原発を即時廃炉」すべきでしょう。感情的には当然の結論です。しかし、現実に電力需給を考えざるを得ません。
現在の社会生活で電力依存は必須条件です。電力無くして人間は生きられません。TV・冷蔵庫・洗濯機・エアコンの無い生活が考えられますか!。60年前の終戦時の日本ではないのです。
世界に冠たる文化国家日本にとって、電力需要を断つことは破滅を意味します。確かに昨年夏「関東地区」は電力不足に陥り、計画停電と云う試練を味わいました。しかし、住民は冷静に乗り切りました。
電力需要が15%以上不足する言われ、節電と計画停電の苦難に対し、企業努力と国民の協力により克服したのです。この見事な自制力に対し、全世界から賞賛の言葉が嵐の如く寄せられました。
日本人は「個人的エゴ」を抑え込み、社会的に協調して「電力不足危機」に挑み、勝利を収めたのです。この理性的な行動は日本人の真価を高める誇るべき団結力と言えるでしょう。
「大飯原発再稼働」は、野田総理が主張するように、現実的には国民の生活を守るために必要な判断でしょう。しかし、理想的には「原発廃止」は絶対の実行しなければならない命題です。
「理想と現実の狭間」では、現実を踏まえて、近い将来安全性の完全保障が出来ない「全原発の廃炉」は絶対条件でしょう。電力需給を改善して、原発に頼らない手段・方策を早急に考えるべきです。
日本人の英知を集めれば不可能な問題ではないと思います。その為にも「原発廃止」に至る工程表を公示し、目標を定め「電力需給確保方針」を推進すべきでしょう。感情論でなく冷静な判断が必要です。
例えば「老朽化(40年稼働)した原子炉を即時廃炉する」。この規制は、現実に法制化が進行しています。そして、新規の原子炉建設を止めれば、20年後には殆んどの原子炉は無くなります。
電力需給が20年後に改善されれば、現実的に「全原子炉廃炉」は可能になります。「即・原発廃止」の理想論と「20年後の全原発廃止」の現実論の狭間で国民の冷静な判断で論議されるべきでしょう。
熱海の爺
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