ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
数字で会社を読む
【第58回】 2012年2月9日
著者・コラム紹介バックナンバー
週刊ダイヤモンド編集部

【セブン-イレブン・ジャパン】
女性、高齢者層開拓で業績絶好調
コンビニ大量出店で第2の成長期へ

previous page
2
nextpage

 とはいえ、過去10年以上の間に、他社との差は確実に縮まってきた。それを象徴するのが、図(3)である。

 1990年代後半から2000年までのセブン-イレブンの平均日販は67万~68万円。ローソンとファミリーマートは46万~49万円で、約20万円もの差があった。

 ところが、その後はセブン-イレブンの下げが目立ち、他社との差はかつての半分に縮小した。

 その理由の一つ目は、出店拡大に伴い、従来のような好立地の店舗を探すのが難しくなったこと。そして二つ目は、競合他社の商品開発力などが向上したことにある。コンビニというビジネスモデルの創出を牽引し続けたセブン-イレブンだが、「過去10年間はイノベーションが止まってしまった」(業界関係者)。

 しかし、「この数年で強さが復活してきた」(正田雅史・野村証券グローバルリサーチ本部マネージングディレクター)。

 今期の平均日販を見ると、各社共に大幅に上昇している。その最大の理由は、10年10月からのタバコの値上げという特殊要因である。

 ではタバコの押し上げ効果を除くとどうなるか。図(4)のとおり、増収を達成しているのはセブン-イレブンただ1社である。

 好調な理由の一つは、惣菜やデザートなどの商品力にある。東日本大震災で女性や高齢者のコンビニ利用が増えるなか、手頃な価格のプライベートブランド「セブンプレミアム」が伸び、すでに売上高の7%超を占めている。

 さらに今期末までにデザート専用の冷蔵什器を8000店に導入する。すでに導入した店の平均日販が前年同期比で約2万円も上昇していることから「来期の平均日販は70万円弱に達する可能性がある」(津田和徳・大和証券キャピタル・マーケッツ チーフアナリスト)と見られ、過去最高額(68万2000円)を上回る勢いだ。

次のページ>> 競争の熾烈化は必至
previous page
2
nextpage
Special topics
ダイヤモンド・オンライン 関連記事


DOLSpecial

週刊ダイヤモンド最新号

 

頼れる病院 消える病院

目次

Prologue 川崎の病院が救急車“大歓迎”
民間上位はブランド、グループ中核病院

Part 1 窮地に立つ病院

地域ルポ 患者殺到! 医師脱走!

[Column] 村民のイジメ? 医師が定着しない村

自治体病院 赤字補填しても5割が赤字

[Column] 厳格処分に住民蒼白 東京医大茨城

医療とカネ 診療報酬の仕組みQ&A

 

週刊ダイヤモンド
2012年10月27日号
定価740円(税込)

 

underline
週刊ダイヤモンド
昨日のランキング
直近1時間のランキング

週刊ダイヤモンド1冊購読

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


数字で会社を読む

週刊ダイヤモンドで好評連載中の「数字で会社を読む」。各業界・企業を担当する第一線の記者が、ポイントを絞った財務分析で企業・産業に切り込みます。

「数字で会社を読む」

⇒バックナンバー一覧