【上地兼太郎、福山崇】政府の電力需給検証委員会は24日、沖縄をのぞく全国の来夏の電力について、これ以上原発を動かさなくても5.4%ほど余り、「電力不足にならない」との見通しを示した。節電意識が定着してきたのに加え、原発の代わりに火力発電を動かすためだ。
検証委が示した試算では、今夏と同じくらい節電すれば、来夏が猛暑だった2010年夏並みの暑さでも、必要な電力は最大でも10年より1割弱ほど少ない1億6583万キロワットにとどまる見通し。今夏、原発15基分にあたる約1500万キロワットもの節電を実現できたことが大きい。
これに対し、各電力会社が発電できる電力は、関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)以外の原発を止めたままでも1億7478万キロワットに達する。火力発電を増やすためだ。電力にどれだけ余裕があるかを示す「予備率」は万が一に備えて必要な3%を上回り、検証委は「電力不足にならない」と説明している。