2012年10月22日~28日の間、
食育活動「味覚の一週間」が開催されています。
日本での実施は今年で2年目。
第一回目は、約100人のシェフやパティシエがボランティアで活動に参加しました。
※第一回目のレポートはこちらから
今年も、メインになるのは「味覚の授業」。
シェフやパティシエなどが講師として全国の小学校へ出向き、
5つの味覚(しょっぱい、すっぱい、にがい、あまい、うまみ)を教えながら、
子どもたちに“味わうことの大切さと楽しさ”を伝えていきます。
対象は全国の小学校72校141クラス(生徒数5112名)。
参加者も「三國清三氏(オテル・ドゥ・ミクニ)」、「ステファン・ブロン氏(ル・シャビシュー)」、「ドミニク・コルビ氏(ル・シズィエム・サンス・ドゥ・オエノン)」、「飯塚隆太氏(レストラン・リューズ)」、「中原久雄氏(草喰なかひがし)」、「宮澤政人氏(じき宮ざわ)」、「佐々木浩氏(祇園さゝ木)」など、そうそうたる面々が勢ぞろいしています。
あわせて今年は、日本とフランスで「BENTOコンクール」を同時開催いたしました。
日本でのコンクール・テーマは、
「五味(塩味・酸味・苦味・甘味・旨味)をバランス良く味わえる家族のための弁当」。
食材費500円以内で、盛り付けを含め60分でできることが条件。
一般公募で応募のあった450作品のなかから優秀作品6点が選ばれ、
10月21日(日)調理実技審査を含めた最終選考会が行われました。
審査員は、
●日本ホテル株式会社 取締役 中村勝宏氏
●料理研究家 藤野真紀子氏
●「レストラン パッション」シェフ アンドレ・パッション氏
●東京ガス株式会社 都市生活研究所 小西雅子氏
●料理ジャーナリスト アンヌ・ラタイヤード氏
それぞれの挨拶の後、キッチンスタジオへ移動し、早速調理がスタート。
会場内には、包丁で刻む音、炒める音、揚げる音、煮る音が聞こえ始め、
同時に、あちらこちらからおいしそうな香りが漂ってきています。
調理中は審査員が味見をしながら実技についてもチェック。
慣れないキッチンでの作業もあって、緊張感がこちらにも伝わってきます。
でき上がっていく“おかず”がおいしそう。
最後は「BENTO」に詰めて完成。
どれも個性豊かな彩りで鮮やか。
そして最終審査によって選ばれた作品は以下です。
■優勝 「一人暮らしの母への思いやり秋の香り弁当」
■準優勝 「秋空の下でlunch time ~Franceの香りを添えて~」
■三位 「木火土金水(モッカドゴンスイ)東北弁当」
■特別賞 「旦那さんの為のヘルシー健康弁当。」
残念ながら入賞できなかった2作品も、クオリティは高いです。
■ 「今日も幼稚園頑張って!」
■ 「酢豚BENTO」
今回、6作品の「BENTO」を見ることで、日本の「食」文化や美意識、
そして五味の大切さを再確認することができました。
もともと「弁当」を表す「BENTO」は、世界でも通用する言葉になっているそうです。
小さな箱のなかに季節感や山海の食材をバランス良く盛り付け、彩り鮮やかに
詰められた「BENTO」は、日本の美意識、文化の象徴とされ、話題にもなっているとのこと。
『文化は伝承されなければ失われてしまうでしょう。味覚も同じこと…』。
そう語ったのは祖父の代から三代に渡ってミシュラン3つ星を
獲得している女性アン=ソフィ・ピック シェフだそうです。
「食」はひとつの文化遺産。
フランス料理と同じように、
日本の「食」もユネスコの無形文化遺産に登録されることを願っています。