ブログのコメント欄に「たんまんさん」から寄せられたご意見です。
>>>引用開始
北朝鮮拉致事件被害者の蓮池さんは海岸で拉致されたが人気のないさびしい海岸でデートしていた蓮池さんにも落ち度があると言えるでしょうか。何時に拉致されたのか知りませんがもし夜中の4時だったとしたら蓮池さんに「初歩的なミス」があったと言えるのでしょうか。北朝鮮工作員に拉致された被害者はたくさんいますが、出歩いて拉致された時間帯や服装、あるいは場所によっては拉致被害者も責められても仕方ないのでしょうか。
米軍兵士によるレイプ事件の犯行時間帯が重要なのであればぜひ北朝鮮拉致事件の犯行時間帯も調べて教えていただきたいと思います。
>>>引用終わり
これを読んで後味の悪い思いをしました。でも、たんまんさんはきちんとした文章で問題提起をされていますので、承認しました。そして今日ここで取り上げようと思ったのは、前提が大きく間違っているということを指摘したかったからです。
たんまんさんは米軍なんてかばわないで北朝鮮に拉致された同胞を救うほうにもっと力を入れて欲しいという思いから書かれていると勝手に推察しているのですが、大きな論理的欠点があります。
拉致問題は国家的な問題で、この実行犯は北朝鮮というならず者国家から任務として命令されているいわば悪い意味での「公」的な任務です。これに関しては、日本国が国として自国民を守る立場からの発言と行動が必要になってきます。
国内で報道することは、日本国の北朝鮮に対する抗議を後ろから支える世論を構築するために必要なものと考えます。
ただ、ここでは問題の前提が大きく違うと思います。
この拉致問題や特定失踪者問題は、犯行時に犯人の「個」の意思の介在する余地はなく、任務が遂行できる状況かどうかだけが問題になってきます。つまり、犯人と被害者の間の個人的感情はまったくその状況を左右する要素に入りません。あくまでも国家的な犯罪です。
でも、沖縄の事件の犯行時刻は卑劣な個人的欲望を満たす犯罪であり、そのときの状況に犯人と被害者の間の個人的感情や状態が大いに関係する問題であるからです。午前4時という問題はその状況にかかわる大きな要素になります。
私がよく書いている「公」と「個」の問題です。
北朝鮮の工作員は軍人または国家機関の人間で任務遂行中ですから、任務に失敗すると叱責や降格などの懲罰が待ち受けています。さらに任務遂行中は非人道的な命令でも聞くように訓練され、それが仕える国家や党のためと信じきって行動しています。
だから、犯行時間よりも周囲に目撃者がいないなどの人目につくかどうかが問題になってくると思います。
しかし、米兵の不祥事は軍人とはいえど任務から離れたただの人間の状態で起こっているので、軍人ではなくただの酔っ払いなのです。だから、犯行時間やその容疑者や被害者の状況がより重要な問題となってくるのではないでしょうか。
1995年の問題をいまさら穿り返すつもりは毛頭ありません。日本の裁判所では被害者の心理的負担を考えて告訴を取り下げていますが、米軍の裁判で犯人は処罰されていますから、終わったことです。でも、犯行時間を発信された田母神閣下が攻撃を受けていると知って、ごまめの歯軋りながら援護射撃をしようと昨日アップしたしだいです。
拉致問題や特定失踪者問題は日本国が国家の威信をかけて取り組むべき問題です。その担当大臣がころころ変わるような民主党政府のていたらくは歯がゆくてしかたありません。
でも、この問題とくっつけて議論することはおかしいと思います。たんまんさんはそういう意図はお持ちではないと信じていますが、よく左巻きがつかう論理構成です。
もともと比べられないものを比べて、論点をすり替えています。
私の以前の記事も、国家の重大事を知らせる新聞の一面や全国で何万人も視聴している公共放送であの時点では容疑の確定していない問題に対して問題を提起したのであって、言葉尻を捉えての攻撃は本当にへきへきしました。
大事の反対語は何ですか?
個人の問題を国家の問題と同列に扱うということは、そこに何らかの意図があると考えて何がおかしいのでしょう?
強姦問題は被害女性にとって重大な事件だと思っています。きちんと裁判で犯人を厳罰に処すべきだと考えます。でも、それを大きく取り上げるのはタイミング的にどうかという問題提起です。
いつから日本は言論封殺の社会になったのでしょうか?
私は、当たり前のことを当たり前のように言える社会にしたいと思っています。
沖縄の米兵による犯罪率が沖縄の犯罪率よりも高ければ、それは重要な社会問題です。でも、警察白書を見ても米兵の犯罪率よりもきわめて高い集団もあり、そちらを是正する方が先決ではないでしょうか。
以前御巣鷹山で自衛隊が救助に大活躍した時にある新聞社の記者がその活躍ぶりに感動して記事を書いたら、そのデスクが「俺が自衛隊の賞賛記事を載せるわけがないだろう!」といってその原稿を記者の目の前でゴミ箱に捨てたという有名な逸話があります。
阪神淡路大震災を経て、3.11の後にはさすがに自衛隊に対する記事は大きく変わってきています。米軍に対しても「ともだち作戦」で本土での扱いは変わり始めていますが、どうして沖縄だけがその扱いが違うのでしょう。
もう沖縄の方々も気付き始めておられる方も多いと思います。
なにかがおかしいと気付きましょう。