祇園祭の後祭、2014年復活へ 保存会方針
祇園祭の後祭(あとまつり)の山鉾保存会は23日、1965(昭和40)年以降行われていない後祭の単独巡行を2014年に復活させる方針を決めた。毎年7月17日に京都市内で実施している山鉾巡行を、23基が参加する17日(前祭(さきまつり))と、10基による24日(後祭)に分ける。14年に実施されれば49年ぶりとなる。実現に向けて今後、関係機関との調整を進める。
■49年ぶり、関係機関と調整
後祭の10の山鉾保存会の代表者が23日の会合で決めた。反対した保存会もあった。巡行路は決まっていない。
かつて山鉾巡行は、八坂神社の神輿渡御(みこしとぎょ)に合わせて17日と24日の2度あった。「信仰か、観光か」の論争を経て、1966年に17日に一本化され、現在に至っている。
14年の実施は、幕末に焼失するまで後祭のしんがりだった大船鉾の巡行復帰の計画に合わせた。神輿の露払いという、祭り本来の姿に返すという目的がある。また、4時間半かかる巡行の時間を短縮し、宵々々山から巡行までの4日間で約100万人が集中する観光客の混雑回避も狙う。
後祭復活については、山鉾連合会の吉田孝次郎理事長が10年8月に言及した。11年5月に連合会に後祭巡行検討部会が設置され議論を続けてきた。取材に対し吉田理事長は「結果を重く受け止めている。単に昔に戻るのではなく、伝統を踏まえ、新しい後祭の形を創出したい」と話した。
山鉾巡行は国の重要無形民俗文化財で、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産。今後、山鉾連合会の評議員会を経て、文化庁や京都府、京都市、府警などとの協議を始める。
■後祭巡行 かつては、三条通烏丸から東進、寺町通を経て四条通を西に進んだ。現在の後祭は橋弁慶山、北観音山、鈴鹿山、浄妙山、黒主山、南観音山、鯉山、八幡山、役行者(えんのぎょうじゃ)山と大船鉾。
【 2012年10月24日 09時44分 】