「私は吸血鬼の方ではないと思います。ヒロインの方ではないでしょうか」
フィギュアスケート界のスター、キム・ヨナ(22)は24日、泰陵スケート場で新コーチ陣を発表、今季プログラムやトレーニングの状況について発表した。ショートプログラムの曲は1963年の英国映画『吸血鬼の接吻』のテーマ「The Kiss of the Vampire」、フリーはミュージカル『レ・ミゼラブル』から採用した。振り付けは、キム・ヨナが2006年にジュニアからシニアに上がって以来、担当しているカナダ出身のデビッド・ウィルソン氏。衣装のデザインはまだ決まっていない。
キム・ヨナは来年3月に行われる世界選手権(カナダ・オンタリオ州ロンドン)までシン・ヘスク・コーチ(55)、リュ・ジョンヒョン・コーチ(44)の指導を受けることを発表した。シニア転向後はブライアン・オーサー・コーチ(カナダ)、ピーター・オペガード・コーチ(米国)ら外国人コーチの指導を受けていたが、今回は小さいころに指導を受けた「かつての師匠」と再びタッグを組む。トレーニング全体を統括するシン・コーチはキム・ヨナが小学4年生だったころから約3年間指導し、ジャンプ技術を完成させた。これまで数多くの韓国代表を育てた、韓国を代表する指導者だ。キム・ヨナの才能を見いだし、7歳のころから本格的に選手の道へと導いたリュ・コーチは、体調チェックなどトレーニングをサポートする。
キム・ヨナは「選手生活を16年間続け、ここまで来られるようにしてださった先生方と再会できてうれしい。試合に向けてトレーニングをするため、さまざまなサポートをいただけるだろう」と語った。
2010年のバンクーバー冬季五輪で金メダリストになったキム・ヨナだが、11年5月のモスクワ世界選手権で2位になってからは1年以上、国際大会に出場していない。進路について悩んでいたためだが、今年7月に「14年のソチ冬季五輪まで選手を続ける」と宣言した。その後、約3カ月間はコーチがいないまま一人で体を作ってきた。
キム・ヨナは「体の状態は70%くらいだと思う。ジャンプの感覚などは残っている」としながらも「久しぶりに試合に出るので、感覚や気持ちが違ってくる可能性もあるため心不安なる。一つ一つきちんと準備したい」と心構えを語った。
試合に1年以上出場していないため、今季の国際スケート連盟(ISU)主催グランプリ・シリーズには招待されていない。来年の世界選手権に出場するには、ISUが改正した規定に基づき、最小限のテクニカル点(ショートプログラム28点・フリースケート48点)を認められなければならない。このため、キム・ヨナは12月中に国際大会に出場する予定だ。復帰戦は「NRWトロフィー」(12月5-9日、ドイツ・ドルトムント)か「ゴールデン・スピン・オブ・ザグレブ」(12月13-16日、クロアチア・ザグレブ)になる見通しだ。
キム・ヨナは残された期間中に最も不足している体力を付ける一方、プログラム全体の技術的な成功率を引き上げることに重点を置くとのことだ。