憂楽帳:スカウト冥利
毎日新聞 2012年10月25日 13時15分
きょう25日はプロ野球ドラフト会議の日。多くのアマチュア選手が緊張の一日を過ごすだろうが、選手たちに劣らず、この日を緊張の面持ちで迎えた男たちがいる。各球団のスカウトだ。
「何年も追いかけ、球団に許可をもらい、さあ指名しよう、という選手を他球団に先に取られるのが一番つらい」。そう話すのはヤクルトのスカウト、小田義人さん(65)。近鉄時代に往年のセーブ王・赤堀元之投手、ヤクルトでは青木宣親(のりちか)選手(現米大リーグ・ブルワーズ)らを発掘した名スカウトだ。1988年秋のドラフトで赤堀投手を指名した時は順位が4位だったため、他球団から先に「赤堀」の名前が出ないかと心配し通しだったという。
ちなみに青木選手の03年ドラフトでの指名順位は4巡目。「1、2位指名の選手は活躍して当然だけど、4位ぐらいの選手が1軍で働いてくれるとスカウト冥利に尽きます」と小田さん。「それに4位は意外に活躍するんですよ。イチローも4位でしたから」
今日のドラフト、4位指名の選手たちに注目です。【神保忠弘】