2007年11月15日
突然の別れ
トキワ荘時代の石ノ森章太郎の生活はかなり派手でした。
当時かなり高価なステレオやテレビや8ミリカメラを買いそろえ、いくら売れっ子といっても、気がつくと家賃が払えなくなり、月末には寺田ヒロオから借金をする生活をしてました。
そんな弟の世話をするために姉・由恵は上京し、トキワ荘で同居をはじめます。
名目上は喘息の治療です。普通考えたら空気のいい故郷(宮城県)にいたほうがいいでしょう。
なのに、「東京の方がいい病院があるから」と無理矢理な口実で両親を説得しました。
当然空気の悪い東京の生活に耐えられず、由恵は体調を崩し故郷に帰る事になります。
それでも静養し体調が多少回復こともあって、またすぐに上京するのです。
姉・由恵はなぜそれほどまで弟・章太郎の事を思っていたのでしょうか?
体の弱い自分にはかなえられない夢を弟に託していたのかもしれません。
はたして再度上京した由恵は駅で喘息の発作をおこし、倒れます。
すぐに病院に運んだので、これで一安心と思った石ノ森は赤塚らと映画をみていました。
それが姉弟の今生の別れでした。
当時かなり高価なステレオやテレビや8ミリカメラを買いそろえ、いくら売れっ子といっても、気がつくと家賃が払えなくなり、月末には寺田ヒロオから借金をする生活をしてました。
そんな弟の世話をするために姉・由恵は上京し、トキワ荘で同居をはじめます。
名目上は喘息の治療です。普通考えたら空気のいい故郷(宮城県)にいたほうがいいでしょう。
なのに、「東京の方がいい病院があるから」と無理矢理な口実で両親を説得しました。
当然空気の悪い東京の生活に耐えられず、由恵は体調を崩し故郷に帰る事になります。
それでも静養し体調が多少回復こともあって、またすぐに上京するのです。
姉・由恵はなぜそれほどまで弟・章太郎の事を思っていたのでしょうか?
体の弱い自分にはかなえられない夢を弟に託していたのかもしれません。
はたして再度上京した由恵は駅で喘息の発作をおこし、倒れます。
すぐに病院に運んだので、これで一安心と思った石ノ森は赤塚らと映画をみていました。
それが姉弟の今生の別れでした。
小野寺由恵。享年22歳。23歳の誕生日の前日に彼女は亡くなりました。
死因は心臓発作。喘息の発作をおさえるために医者がモルヒネを打ちすぎたのです。
今なら完全に医療ミスでしょう。
しかし、石ノ森は医者を責めず、自分を責めます。
「あの時なんで映画を見ていた? 姉のそばについていられなかったのか?」と。
そうして姉の苦しむ姿から逃げた事を激しく後悔しました。
姉の葬式を終えた後、石ノ森はタンスの引き出しの底に綺麗に折り畳まれたお金を見つけます。
それは無駄遣いする弟を心配し、姉が蓄えておいたヘソクリでした。
それから、石ノ森章太郎は各出版社から原稿料の前借りをし、アメリカで開催されるSF大会の取材旅行という口実をとりつけ、海外旅行自由化前なのに半ば無理矢理世界旅行に出かけました。
かなり派手な石ノ森流の"傷心旅行"です。
「結局は何からも逃げる事は出来ない」
これが世界旅行をして、たどりついた結論でした。
これらの出来事は後の石ノ森の作風にかなり大きな影響を与えます。
・・・さて、これは下世話な余談ですが、小野寺由恵は生前ある相談を弟・章太郎にしてました。
恋の相談です。トキワ荘のメンバーの一人を好きになったのです。
その相談に対し石ノ森はそれより病気をなおすほうが先というつもりで、
「冗談じゃないよ。病気なのに」と言ってしまいました。
由恵はそのまま泣き崩れたそうです。
やはりこの人は自分の寿命がわかっていたのでしょう。
残念ながらその恋が実る事はありませんでした。
気になるのは由恵が好きになったトキワ荘メンバーです。
石ノ森もその実名はあげていません。いったいその色男は誰だったのでしょうか?
男ばかりで多少ムサ苦しいイメージのトキワ荘の中でも若者らしくこういう浮いた話があったのです。
死因は心臓発作。喘息の発作をおさえるために医者がモルヒネを打ちすぎたのです。
今なら完全に医療ミスでしょう。
しかし、石ノ森は医者を責めず、自分を責めます。
「あの時なんで映画を見ていた? 姉のそばについていられなかったのか?」と。
そうして姉の苦しむ姿から逃げた事を激しく後悔しました。
姉の葬式を終えた後、石ノ森はタンスの引き出しの底に綺麗に折り畳まれたお金を見つけます。
それは無駄遣いする弟を心配し、姉が蓄えておいたヘソクリでした。
それから、石ノ森章太郎は各出版社から原稿料の前借りをし、アメリカで開催されるSF大会の取材旅行という口実をとりつけ、海外旅行自由化前なのに半ば無理矢理世界旅行に出かけました。
かなり派手な石ノ森流の"傷心旅行"です。
「結局は何からも逃げる事は出来ない」
これが世界旅行をして、たどりついた結論でした。
これらの出来事は後の石ノ森の作風にかなり大きな影響を与えます。
・・・さて、これは下世話な余談ですが、小野寺由恵は生前ある相談を弟・章太郎にしてました。
恋の相談です。トキワ荘のメンバーの一人を好きになったのです。
その相談に対し石ノ森はそれより病気をなおすほうが先というつもりで、
「冗談じゃないよ。病気なのに」と言ってしまいました。
由恵はそのまま泣き崩れたそうです。
やはりこの人は自分の寿命がわかっていたのでしょう。
残念ながらその恋が実る事はありませんでした。
気になるのは由恵が好きになったトキワ荘メンバーです。
石ノ森もその実名はあげていません。いったいその色男は誰だったのでしょうか?
男ばかりで多少ムサ苦しいイメージのトキワ荘の中でも若者らしくこういう浮いた話があったのです。
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コメント一覧
1. Posted by ん。 2009年05月22日 04:45
はじめまして
その「色男」ですが、我孫子氏だったという説があります
ttp://mizumakura.exblog.jp/10953730/
その「色男」ですが、我孫子氏だったという説があります
ttp://mizumakura.exblog.jp/10953730/
2. Posted by 原田 高夕己 2009年05月22日 09:14
>ん。さん
はじめまして。
私はこの説を2ちゃんねるで知ったのですが、
そのソースがこのブログだったんですね。
興味深い話ですが、
何となく謎は謎のままにしといたほうが
いいのかなーと、今は思っています。
結局叶うことのなかった悲恋ですから。
はじめまして。
私はこの説を2ちゃんねるで知ったのですが、
そのソースがこのブログだったんですね。
興味深い話ですが、
何となく謎は謎のままにしといたほうが
いいのかなーと、今は思っています。
結局叶うことのなかった悲恋ですから。
3. Posted by Miwa 2009年07月19日 09:54
ソースを失念してしまいましたが、
由恵さんの初恋の方はテラさんだったとなぜか記憶していました。
ただ、本当にソースもわからないので・・・
由恵さんの初恋の方はテラさんだったとなぜか記憶していました。
ただ、本当にソースもわからないので・・・
4. Posted by Miwa 2009年07月19日 10:04
ああ、すみません、はじめましてを忘れてしまいました。
でも「愛・・・しりそめし頃に・・・」を読むと
やっぱり安孫子さんだったのかな、と思います。
でも「愛・・・しりそめし頃に・・・」を読むと
やっぱり安孫子さんだったのかな、と思います。
5. Posted by 原田 高夕己 2009年07月20日 09:24
>Miwaさん。
はじめまして。
テラさんは頼りがいのあるリーダーなので、
その線も考えられますよね。
他には、弟(石ノ森氏)の親友である赤塚先生も、
当時は美少年だったので有力候補だと思います。
「愛知り」はかなりA先生(満賀)の主観すぎて、
まんが道以上にフィクション色が強く、
エピソードをどこまで信じればいいのか、
ちょっとわかりかねる部分がありますね・・・
もちろんA先生も有力候補ですが。
はじめまして。
テラさんは頼りがいのあるリーダーなので、
その線も考えられますよね。
他には、弟(石ノ森氏)の親友である赤塚先生も、
当時は美少年だったので有力候補だと思います。
「愛知り」はかなりA先生(満賀)の主観すぎて、
まんが道以上にフィクション色が強く、
エピソードをどこまで信じればいいのか、
ちょっとわかりかねる部分がありますね・・・
もちろんA先生も有力候補ですが。