2012年10月22日月曜日

■個人的TRPG史観#4 ワードナの逆襲

さて、ここまでJ-TRPGの<過去>を語ってきた。

ここからの話は<現在>そして<未来>の話になる。


まず、現在残っているTRPGディベロッパーは、グループSNEとF.E.A.Rと冒険企画局の三社のみ。
インディーズでは永い後日談のネクロニカがあり、amazonでも取り扱っている。

TRPGゲーマーの高齢化問題が叫ばれており、
若い人間はMMORPGに流れる傾向がある。

とにかくグループSNEでもF.E.A.Rでも社員を『食わせる』のでヒーヒーなんだ。

かつてのソード・ワールドのような、
低価格で書店で売りまくりメディアミックスもして関連商品をバカスカ売るという、
そういう商法は今では…難しい…。

それこそ
『東方projectTRPG』とか『魔法少女まどか☆マギカTRPG』とか
版権物にでもしないと食いつかない!
東方TRPGはすでに存在するんだが、しかしその内容は、まずプレイヤーは雑魚妖精からスタートするという、なんか微妙な内容なんだ。
まぁな、何より商業化は原作者のZUN氏が許さんだろう。

メディアミックスはライセンス料が掛かる。
ヒーヒーだ、無理だ。


この現状に、ネクロニカはある程度の回答を示している。
まず、可能な限り限られた人間だけで低予算で開発する。
ライトノベル的というかグロ+中二病+百合という自意識の尖った10代~20代に向けられている。

かつてソード・ワールドも、ドラクエとかファイナルファンタジーが流行したのに便乗した部分があるし、他メディアのイキオイを利用するしか無いのだ。

流行モノをバシバシ取り入れる!

それしかないのだ!
それかwebでpdfファイルを無料配布するか。
そういう俺も今、それに着手しようとしている。

ああ、そうだ、プロは『食っていく』わけだからそういう訳にもイカンわな。

食っていくためには…まずはリスクを犯してでも低価格でベーシックセットを売って、
そこから追加ルールだのサプリメントだのリプレイだのスピンオフ小説だのを売りまくる。
これで利益を得る。
ビジネスモデルは、もうこれしか考えつかん。

雑誌媒体もなぁ、
昔はコンプティークにRPGマガジンにLOGOUTに、あと何だったっけ?RPGコミックだったかな。そういうのがあったわけだ。

考えてみれば『モンスターメーカー』ってのは、
1990年代初頭にして<萌え>をカードゲームに取り入れ成功して
そこからRPGコミックが出てコミカライズされて、増刊号の『エルサイス』が出て、スピンオフで『モンスターメーカー学園』が出て、『モンスターメーカーRPG』まで登場した。

あれも考えてみれば正直『翔企画』という弱小メーカーがホビーショップしか販路が無い中で大成功したと思う。実際モンスターメーカーは今やっても面白い。


そうだな、ビジュアルは大切だ。
カバーアートのビジュアルがイメージを決定する。
でもさ、イラストレーターを起用するのも金かかんのよ。
末弥純なんかはウィザードリィ超大好き人間だから、何か安く描いたとか何とかだけど、
まぁ、これはあるプロ作家から聞いた相場だが、
ウルトラジャンプの表紙は7~12万円、カラーピンナップ5万円
それで、これだけじゃなくて、<リテイク料>も発生するから、
イラストレーターにカバーアートを依頼すると見積額としてはかなりの高額となる。
これが天野喜孝やら末弥純になると莫大な金額だ!

だから、PixivなんかではSNSゲーム会社によるイラストレーターの青田狩りが行われている。
絵かきが安く買い叩かれているわけだ。

そしてプロのイラストレーターの<リテイク料>ってのが厄介で、
クライアントが気に食わないからNGを出しても、やっぱイラストレーターがそれなりに時間を掛けて作ったんだ、当然<対価>を要求される。
かといって妥協したアートワークで製品化したら、それがイメージになってしまうから客が手にとってくれない場合がある。嗚呼…。

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