なお収集している情報は主に食品中化学物質に関するもので、食の安全にとって最も問題である微生物関連情報は扱っておりません。
参考食品安全情報ナビbyましゅうさん
2012-10-24
■[EU]RASFF Week 41-2012
警報通知
ラオス産白ナスのメソミル(0.11 mg/kg)、中国産チューインガムの窒息リスク、中国産ガラス瓶の金属ねじ蓋のDEHP(23.51; 29.05%)、オランダ産メラミン皿からのホルムアルデヒドの溶出(水で85、酢酸で415 mg/kg)など
注意喚起情報
タイ産大豆油漬け塩鯖のヒスタミン(152; 89; 58; 85; 175; 56; 104; 49; 130 mg/kg)、中国産ジュース用ガラスコップセットからのカドミウム(0.880; 4.10; 5.01 mg/個)と鉛(4.91; 41.15; 5.01 mg/個)の溶出、ベトナム産冷凍カエルの脚の未承認照射、ベルギー産エビ用配合飼料のヒ素(11mg/kg)と水銀(0.21 mg/kg)、ロシア産食品サプリメントの未承認照射、エジプト産ブドウのエテホン(1.3 mg/kg)など
フォローアップ用情報
ハンガリー産豚テンダーロインを未同定の色素で牛テンダーロインと偽る、オランダ産コップからのホルムアルデヒドの溶出(372 mg/kg)、ベルギー産ビスケットの多すぎるビタミンB1(100kcalあたり1.8mg)など
通関拒否通知
中国産コメの未承認遺伝子組換え(tNOS)、中国産冷凍エビのニトロフラン代謝物フラゾリドン(1.1 microg/kg)、ブラジル産カルケージャ(Baccharis genistelloides;植物)の未承認輸入、中国産大豆麺のアルミニウム(16.8 mg/kg)、中国産ライススティックのアルミニウム(73 mg/kg)、中国産コメ抽出物の未承認照射、ペルー産チョコレートビスケットの未承認色素エリスロシン、中国産オーガニックティーのアセタミプリド(0.28 mg/kg)、タイ産生鮮唐辛子のジコホル(1.2 mg/kg)、中国産ケールのジメトモルフ(0.29 mg/kg)、ブラジル産冷凍鶏肉と内臓のクロピドール(2.1 ; 2: 1.5 microg/kg)、インド産生鮮カレーの葉のプロフェノホス(0.18 mg/kg)、インド産冷凍エビの炭酸ナトリウムの未承認使用など
その他アフラトキシン等多数
■[EU]第4回公開アルコールと健康フォーラム
4th Open Alcohol and Health Forum
http://ec.europa.eu/health/alcohol/events/open231112_en.htm
Brussels, 23 November 2012, 10:00-17:00
アルコールによる害を減らすための対策について
■[EU]SCHER 肥料中カドミウム スウェーデンのリスク評価報告書(ヒト健康)に追加の要請
SCHER - Opinion on Cadmium in Fertilisers - Additional Request on the Risk Assessment Report from the Kingdom of Sweden (Human Health)
http://ec.europa.eu/health/scientific_committees/environmental_risks/docs/scher_o_162.pdf
スウェーデンに特異的なリン肥料中カドミウムによるヒト健康リスクはあるのか、についての意見
カドミウムの土壌中半減期は100年以上で、現在の土壌中カドミウム濃度に過去の施肥は有意に寄与する。肥料中カドミウム濃度が46 mg Cd/kg P (つまり. 20 mg Cd/kg P2O5,)だと土壌中のカドミウム変化はは-6%から+16%と計算される。施肥回数や土壌中のリンの状態により変動する。土壌からのカドミウムの流出はpHが低いほど早い。スウェーデンがヨーロッパの他の国よりカドミウム濃度が高いことはない。植物による土壌中カドミウムの取り込みがスウェーデンでだけ大きいこともない。食事からの暴露量は平均1.0 μg Cd/kg b.w./day あるいは1.4 μg Cd/kg b.w./dayといった数値が報告されている。EFSAはスウェーデンについて1.7 μg Cd/kg b.w./dayと推定している。これは他の国より特に高いわけではない。TWIを超過しているスウェーデン人集団は90%CIで2.8%と比較的少ない。また血中カドミウム濃度に増加傾向はない。
全体としてスウェーデンでのみ特殊な事情があるとするにはスウェーデン人が特にカドミウム暴露に感受性が高いことを示さなければならない。
(肥料中カドミウム濃度についてのEU規制をさらに厳しくすべきだとスウェーデンが主張していたことについて。ちなみにEUのTWIは日本の1/2以下だし日本人のカドミウム摂取量はヨーロッパ人より多い。しかし日本はコーデックスでコメのカドミウムの基準値を下げるどころか上げることを要求した、ということは、日本の食品は安全だと根拠無く主張している人たちは知っておくべきだと思う。日本人はコメのためなら多少の安全性は犠牲にしてもいいのだと判断したことになっているのだが、一般の人にリスクを受け入れたという自覚があるのだろうか。ヒ素でも同じことが繰り返されるのだろうか?)
■[RIVM]夜間労働と健康影響:オランダコホート研究リスト
Night work and health effects : An inventory of Dutch cohort studies
2012-10-23
■[RIVM]地方公衆衛生サービス環境健康ガイドライン:家の湿気とカビの問題
Environmental Health guideline for Municipal Public Health Services : Problems with damp and fungi in homes
2012-10-23
■[RIVM]オランダ職業教育施設での食事:パートB:各地の施設での詳細調査
Food supply at Dutch Vocational Education : Part B: In-depth investigation at a number of locations
2012-10-23
■[FAO]アフリカ北西部に新たな飛蝗警告
New locust alert for northwest Africa
23 October 2012, Rome
http://www.fao.org/news/story/en/item/162964/icode/
アルジェリア、リビア、モーリタニア、モロッコに、西アフリカのサヘルからサバクトビバッタの大群が今後数週間で到達する可能性があるので準備をよびかける
■[NHS]フライドポテトや焦げたトーストは低出生時体重と「関連する」
Behind the Headlines
Chips and burnt toast 'linked' to low birth weight
Tuesday October 23 2012
http://www.nhs.uk/news/2012/10October/Pages/Chips-and-burnt-toast-linked-to-low-birth-weight.aspx
Daily Mailが2つの恐ろしい食品に関する見出しを掲げた今日は、妊娠女性にとって検討教材だろう。新聞のオンライン版で「フライ製品を食べる妊娠女性は低出生体重児を生むリスクが高い」と言い、印刷版では「焦げたトーストを食べると胎児の成長が滞るのか?」と疑問型で書いている。見出しの背景にある「揚げ物の化学物質」はアクリルアミドである。先月はアクリルアミドが調理済みフライ製品に存在するというニュースが報道された。
アクリルアミドはジャガイモやパンなどのでんぷんの多い食品を高温で焼いたり揚げたりすると自然に生じる。しばらくの間我々のアクリルアミド暴露と発がん性についての不確実性が議論されていた。この研究ではアクリルアミドの発育中の胎児への影響を調べた。
研究者らは子どもが生まれたときの臍帯血のアクリルアミド濃度を測定した。アクリルアミド濃度が低出生体重と頭囲に関連するという一般的傾向を見つけた。平均して最もアクリルアミド濃度の高い赤ちゃんは最も低い群より132g軽かった。また頭囲は3.3mm少なかった。研究者らはフライ製品や焼いた製品などのアクリルアミド濃度の高い食品を食べたと報告する女性の臍帯血アクリルアミド濃度が高い場合が多いことを観察している。これはこれらの食品が体内のアクリルアミド濃度の高さに寄与していることを示唆するが、アクリルアミドが低出生時体重の直接の原因であることを証明することはできない。
FSAの助言は
・家庭でのフライ製品調理の際は明るい黄金色に
・トーストは許容できる限り薄い色に焼く
・前処理済み商品を調理する際には注意深く使用方法に従うこと
■[FDA]ダイエタリーサプリメント、未承認医薬品をニューヨークで押収
Dietary supplements, unapproved drugs seized in New York
Oct. 23, 2012
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm325382.htm
ニューヨークの企業は病気の予防や治療効果を宣伝していた
FDAの要請により警察がPort Washington, N.Y.のConfidence, Inc.,でダイエタリーサプリメントと未承認医薬品を押収した。製品名はダイエタリーサプリメントのDr. ブレイン、pH バランス、Fe-Mon-9, グルコサミンプラス、 Prostate-7と未承認医薬品Full-Bloomである。Confidence, Inc.はこれらの製品が老人性認知症、脳萎縮、アテローム性動脈硬化、腎不全、壊疽、鬱、骨関節炎、排尿障害、いくつかのがんに効くと宣伝していた。
製品が病気の予防や治療に効くと主張するためには企業はFDAに安全性と有効性を示さなければならない。Confidence, Inc.は新薬としての申請をしておらず、製品はGRASでもなく効果も確認されていない。さらにダイエタリーサプリメントcGMPにも従っていなかった。
■[FDA]警告文書
Warning Letters
Posted on October 23, 2012
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/default.htm
- Advanced Nutritional Technology Inc. 10/16/12
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2012/ucm324200.htm
サプリメントcGMP違反と各種疾患治療宣伝が未承認医薬品
ゴーヤが血糖値を下げるとか緑茶がLDLコレステロールを下げるとか
- Quincy Bioscience Manufacturing Inc. 10/16/12
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2012/ucm324557.htm
ダイエタリーサプリメントPrevagenの疾患治療宣伝が未承認医薬品。さらに主成分とされるアポエクオリンはサプリメントに使用できる食品成分ではない。
またウェブサイトで臨床試験を行っているとあるが、新薬承認のための臨床試験を行うには事前に申請が必要である。
(「プレバジェン」で輸入代行業者がヒットする)
- Garlic Rx 10/10/12
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2012/ucm324182.htm
Alli-Cカプセル(ニンニク成分であるアリシンを含むとする製品)の各種感染症予防効果宣伝が未承認新規医薬品
- Skin Biology, Inc. 10/11/12
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2012/ucm324935.htm
“Copper Sun Tanning & Firming Body Lotion,” “CP Serum,” “BioHeal Cream,” “LacSal Serum,” “Exol Serum,” “Folligen Spray,” “TriReduction Cream,” “Emu Oil S for Skin,” “Protect & Restore Cream,” “Squalane”が未承認新規医薬品
ウェブサイトに掲載している「個人の体験談」もダメ
「ステロイドの代わりにスクアランを使う方が効果的でリスクがない」などの宣伝
- Gomes Dairy 10/16/12
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2012/ucm324395.htm
残留動物用医薬品スルファメトキサゾール
- De Jong Dairy 10/11/12
http://www.fda.gov/ICECI/EnforcementActions/WarningLetters/2012/ucm324902.htm
残留動物用医薬品ペニシリン
■[APVMA]オーストラリアの農家と環境管理者に力を与える世界初のモバイルアプリ
World first mobile application empowers Australian farmers and environmental managers
Date: 23 October 2012
http://www.apvma.gov.au/news_media/media_releases/2012/mr2012-11.php
APVMAはオーストラリアで登録されている農薬や動物用医薬品の情報に移動中にアクセスできるiPhoneアプリケーションを発表した。アンドロイド向けのアプリケーションは開発中。App Storeにリンク。
■[EFSA]EFSAの最新報告では食品中のアクリルアミド濃度は大きくは変わっていない
Acrylamide levels in food largely unchanged states EFSA’s latest report
23 October 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/121023.htm
EFSAはヨーロッパ25か国の食品中アクリルアミド濃度についての年次報告書を発表した。この報告書では2007-2010のモニタリング期間をカバーし、多くの食品で意味のある変化は見られなかった。2008年以降EFSAに提出される結果は減少しているため、傾向解析の信頼性は限られる。
アクリルアミドはでんぷんの多い食品を高温で処理するときに生じる化合物で、2005年にEFSAは遺伝毒性発がん性があるため健康上の懸念となる可能性があるとしている。加盟国にはアクリルアミドのモニタリングが求められ、EFSAはそれをまとめて年次報告としている。
- 2007-2010の食品中アクリルアミド濃度更新
Update on acrylamide levels in food from monitoring years 2007 to 2010
EFSA Journal 2012;10(10):2938 [38 pp.].
23 October 2012
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/2938.htm
2007-2010年の食品中アクリルアミド濃度について、主要食品分類10と追加26分類を用いて報告する。期間中に提出されたデータは13162で、そのうち2010年は2200である。
2010年の、検出限界値未満の濃度を検出限界の半分とした場合の平均(middle bound mean)アクリルアミド濃度は、乳幼児用加工シリアルベース食品の31 microg/kgからコーヒー代用品の1350 microg/kgで、95パーセンタイルが最も高かったのはインスタントコーヒーの8044 microg/kgだった。傾向解析では2007年から2010年の変化はほとんど無い。主要食品分類レベルでは乳幼児用加工シリアルベース食品は減少傾向だがコーヒーとコーヒー代用品は増加傾向だった。2011年以降食品分類ごとに設定されたアクリルアミドの指標濃度を超えているのは3-20%だった。
■[NZ]イタリアで地震学者が殺人罪−専門家の反応
SMC
Earthquake scientists guilty of manslaughter in Italy – experts respond
October 23rd, 2012.
いつになくたくさんの人の意見
- イタリアの地震裁判に多様なNZの反応
Varied NZ reaction to Italian quake trial
October 24th, 2012.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2012/10/24/varied-nz-reaction-to-italian-quake-trial/
ニュージーランドの報道をリンク
- L’Aquila有罪判決は地震の予知についてではなく科学コミュニケーションについて
L’Aquila convictions about science communication, not about quake prediction
October 23rd, 2012.
GNS Scienceからのプレスリリース
■その他
- 海に肥料を撒くプロジェクトが騒動をまきおこす
Natureニュース
Ocean-fertilization project off Canada sparks furore
23 October 2012
http://www.nature.com/news/ocean-fertilization-project-off-canada-sparks-furore-1.11631
7月にカナダの西の海に100トンの硫酸鉄をまいてプランクトンを増やし、サケを増やして炭素を隔離するというプロジェクトが騒動をまきおこしている。
- 米国小児科学会が初めて子どもためのオーガニック食品について詳細に分析
American Academy of Pediatrics Weighs In For the First Time on Organic Foods for Children
10/22/2012
AAPの報告書は、オーガニック製品だと農薬が少なく薬剤耐性細菌への暴露が少ない可能性があるが、子どもにとって最も重要なのは慣行栽培だろうが有機栽培だろうが関係なく、多様な食品を食べることであるという
保護者向けに米国小児科学会がガイダンスを提供
オーガニック製品を食べることで健康が増進したり疾患リスクが低くなったりすると言う直接的根拠はない。重要なのは健康によいことがわかっている、野菜や果物を豊富に含む多様な食品を食べることである。多くの家庭では食費は限られるため、値段の高いオーガニック食品を選ぶことで野菜や果物の総摂取量が減ることは望ましくない。
From the American Academy of Pediatrics
Clinical Report
Organic Foods: Health and Environmental Advantages and Disadvantages
Joel Forman, MD, Janet Silverstein, MD, COMMITTEE ON NUTRITION, and COUNCIL ON ENVIRONMENTAL HEALTH
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2012/10/15/peds.2012-2579
オープンアクセス
環境影響も扱っているが特に結論的なものはない。費用は人件費と原油などの値段による。
オーガニックを選びたいという保護者には、信頼できる情報源としてConsumer Reports や Environmental Working Groupを紹介(EWGは薦めないけどな?FDAじゃダメなんだろうか)
- オーガニック製品は必ずしも子どもにとって健康的ではない、と専門家は言う
THE GLOBE AND MAIL
Organics not necessarily safer or healthier for kids, experts say
Tuesday Oct. 23 2012
親は子どもの農薬暴露を減らしたいと思ってオーガニック野菜や果物を探しているかもしれないが、有機食品は必ずしも慣行栽培の作物より安全性が高かったり栄養があったりするわけではない、と米国小児科学会が、オーガニック製品についての初めての助言で言う。農薬を含まない食品を食べるとより健康になるということは証明されていない。
オーガニック食品は値段が高いため、オーガニックを選ぶことで野菜や果物の購入量が少なくなればそれは良い方法ではない。最も重要なことは子どもに野菜や果物をたくさん含む健康的な食生活をさせることである。
(相変わらず信奉者からそんなの嘘だ、企業の陰謀というコメントが)
- 女性の中程度飲酒と乳がん:疫学からメカニズムと介入へ
Moderate Alcohol Consumption and Breast Cancer in Women: From Epidemiology to Mechanisms and Interventions
Philip J. Brooks*, Samir Zakhari
Alcohol Clin Exp Res. 2012 Oct 16. doi: 10.1111/j.1530-0277.2012.01888.x. [Epub ahead of print]
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23072454
疫学研究では女性の中程度飲酒が乳がんリスクを増加させることが示唆されている。メカニズムとしてアルコールが弱いが蓄積性のある乳がん発がん物質として作用することと発がんプロモーター作用もあることが示唆されている。一方心血管系には良い影響があるとされるため、女性がより良い情報を与えられた上での選択ができるようにするためにはさらなるメカニズム研究が重要である。
このペーパーは普通だと思うのだけれど反論が激しい
The complex association between moderate alcohol consumption and breast cancer
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-10/bumc-tca102312.php
International Scientific Forum on Alcohol Researchというところはアルコールが健康に良いという情報を積極的に出しているところ
■追記
韓国のラーメンのベンゾピレンのニュースでここに来たなら是非この記事を
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20120925#p6
KFDAはずいぶん前からベンゾピレンなどができるので網で焼く焼肉をやめるように勧めているのだけれど、メディアがそれを真面目に受け取って報道したことはないような