13ゲームもの差をつけながらリーグ優勝を逃したことを理由に、10月阪神監督を辞任。
阪神、オリックスと16年の現役生活の後、13年の指導者生活を送り、’08年29シーズンぶりにユニフォームを脱いだ。
13ゲーム差をひっくり返されて優勝を逃す。数字だけから見ればお粗末かもしれない。しかし、そもそもそれだけの差をつけて首位に立つチームを作った手腕は評価されてしかるべきだろう。5シーズン監督を務めて、Bクラスは一度だけ。4年連続で優勝か、それを争う位置を守った。それでも岡田彰布はユニフォームを脱いだ。その責任の取り方の潔さは、歯切れのよい話しぶりと同様、この人の変らぬ個性である。
「オールスターの時で9.5ゲーム差やったかな。今年はオールスターが遅かったからね。その時点でそれだけ差があったんで、あとは5割で行けばという計算はあった。オリンピックで選手が抜けて少し落ちることはあっても84、5勝は行けるやろと。まさか下からあそこまで追いかけてくるとは思わんわな」
自軍の最終成績の読みはほぼ正確だった。ただ、相手、ジャイアンツの異様な高勝率は計算外だったのだ。
「前半勝率が高くて、上手く行き過ぎなんて声もあったが、ラッキーとか、いつかは落ちるんではみたいな気持ちはなかったね。みんな普通に自分の力を出してくれてる思うてた。それに、高い勝率をキープしていても、けっこう故障者は出てたんよ。福原なんかがそうやけど。ローテーション投手が1枚欠けたら普通は大変よ。でも、こっちはそれを補うような先発の準備はしていたし、それで成績が落ち込むようなこともなかった。1年間全員が万全でできるわけはないんでね」
成績の順調さがそのままチーム全体の順調さというわけではない。長いシーズンの間には当然凹凸はある。それを成績に響かせないように準備するのが監督の手腕なのだ。
故障や不調を苦境の原因にせず、かえってそうした選手の復帰をチームのバネにする。9月の復帰戦で本塁打を放った今岡や、タイムリーを打った新井の起用には、岡田の成熟した腕の冴えが見てとれた。
「でもそれを起爆剤にできんかった。普通は行くんやけどな。9月のはじめ、甲子園で3試合連続サヨナラ勝ちというのがあって、新聞はバーンと行くきっかけになるみたいに書いていたけど、自分の心の中じゃ、そうは思っていなかった。爆発的に打ってのサヨナラやったら勢いもつくけど、しのいでのサヨナラいうのはあんまりね。初回に点が入ったあと、9回まで入らんのやから」
だが、最後まで優勝を争ったのに、身を引くというのは性急な結論ではなかったのか。
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