原発事故影響試算“説明不足”の声10月24日 18時45分
24日公表された原発事故の影響範囲の試算では、これまでの想定を超えて原発から40キロの地点まで影響が及ぶなどとする結果が出ましたが、NHKが関係の21の道府県に取材したところ、すべての自治体が「試算結果は先週、メールで受け取っただけで詳しい説明がなかった」と答えました。事故の影響範囲という住民にとって関心の高い情報の説明不足に自治体からは戸惑いの声が出ています。
原発事故の影響範囲の試算は、原発の立地自治体などが来年3月までに作る地域防災計画の中で、避難などが必要となる防災を重点的に行う範囲を決める際に参考にするものです。
24日、公表された試算では、全国の16の原発のうち、東京電力柏崎刈羽原発など4つの原発で、避難などの準備をしておく範囲の目安とされる30キロを超えて影響が及ぶという結果が出ました。特に新潟県の場合、最も遠いところで40キロまで影響が及ぶとなっています。
試算結果について事前にどのような説明があったのか、関係の21の道府県にNHKが尋ねたところ、すべての自治体が「先週、メールが送られてきただけで詳しい説明はない」と答えました。
原発から40キロの地点まで影響が及ぶとされた新潟県では「どのようにみてよいのか、説明を聞かなければ分からない。防災対策の範囲を決める際に参考にできるかは、今後検討する必要がある」と話しており、多くの自治体から説明不足や戸惑いの声が上がっています。
これについて、原子力規制委員会の田中俊一委員長は「規制委員会の事務局の人員の数から、自治体への丁寧な説明は時間的に無理なところがあった。今後、各自治体が地域防災計画を作る段階でよく相談をしていきたい。今回の結果はあくまでシミュレーションで、新潟県を含めて防災を重点的に行う範囲については、半径30キロで問題ないと思っている」と弁明しました。
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