PC遠隔操作:ウイルス気付き停止…「真犯人」削除失敗か
毎日新聞 2012年10月24日 11時37分(最終更新 10月24日 12時01分)
パソコン(PC)の遠隔操作事件で、誤認逮捕された三重県の男性(28)がウイルス感染に気付き、ウイルスのプログラムの作動を停止していたことが、捜査関係者への取材で分かった。「真犯人」は「犯行声明」でウイルスをわざと残したとしていたが、警視庁や三重県警などの合同捜査本部は、作動停止で遠隔操作を続けられず、ウイルスを削除できなかった可能性があるとみて調べる。
捜査関係者によると、男性は先月10日にウイルス感染の原因となった無料ソフトをダウンロードした後、PCの動作が遅くなったことを不審に思い、PC内を調べて遠隔操作ウイルスの作動を止めていた。
誤認逮捕された4人のうち、三重の男性のPCだけウイルスが残されており、一連の事件が発覚するきっかけとなった。TBSなどに届いた「犯行声明」では「(三重の時だけは)わざとウイルスを消さないでおいた。警察がどう出るか試す意図があった」などと記されていた。
男性は先月14日に威力業務妨害容疑で逮捕されたが、同21日に処分保留で釈放され、その後、容疑なしで不起訴処分となっている。【松本惇】