試験航行中の実験艦(巡洋艦ウルヤージュを改造したモノ) |
超光速航行の研究 帝国の国家機関で日々行われている「新しい技術の研究や開発」の一つで新たな宇宙航行法、特に超光速航行に焦点を絞った研究の事。 従来の転送門を使用した航行はその距離を縮める事はできるが出入り口となる対の門を目的地へ持っていかなければならない。これからくるであろう広域宇宙の開発や探索の際の航行法として適さない為、新たな航行法が必要となった。(対の門を必要としない転送門(精霊門)もあるにはあるが過去、地球規模の災害を起こした原因とも考えられる為、宇宙開発の主軸にはおけないと判断された) 現在研究中の航行法は主に時間の力を利用したものである。船体を空間ごと重力によって圧縮して粒子程の大きさにし、限りなく時間の停止した空間をつくり、そこで蓄えた時間エネルギーをその周りに力場として張り巡らし時間経過を何倍にも早めて加速するもので、例えるなら船の部分だけ「ビデオの早送り」をしたようなものである。 (精霊がもつこの世界を処理する処理速度(CPUのクロック数(?)は、光を1年かけて1光年先まで送り届ける処理能力があるが、その処理能力を10倍にすれば、10分の1の時間(*1)で送り届けることができる) 船の周囲に発生する力場は2種類あり、またその力はお互い相反している。(*3)境界面を境に外向きと内向きに発生し、外向きの力場は時間の処理を(何倍にも)限りなく加速させ、内向きの力場は時間の処理を(何倍分の1に)限りなく遅くする。結果的に船、及び船内にいるモノの時間は差し引き0になるようになっており、外にいる我々と船の内部にいる船員との時間の差は日常生活に影響を及ぼさないレベルになっている。 (実験初期の頃、一度だけ内部の力場が働かない事があり、船、及び船内が一瞬にして何億年という時間変化を起こしたことがあった。乗組員は瞬時にその生涯を閉じ、その数秒後に船も(耐久年数を超えて)崩壊した) 現在の超光速航行の技術は実用に堪えるレベルには達しておらず、完成までさらに一世紀ほど時間がかかるといわれている。(まだまだ実験室レベルのモノでクリアすべき難問がいくつも残っている。(どうやって航行中に外の様子を知るか等々) しかし現在、試験航行で毎秒300万キロメートル(光速の10倍ほど)まで速度(*9)を出すことにも成功しており、数世紀後にはほぼ確実に自由に宇宙を飛び回る事ができると見られている。 |