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【経済】

国民年金基金 積立金不足1.4兆円

 自営業者らが任意で加入する国民年金基金で、将来給付に必要な積立金の不足額が二〇一一年度末に累積一兆四千二百七十一億円に達したことが二十三日、国民年金基金連合会のまとめで分かった。運用利回りは2・5%と堅調だったが、過去により高い利回りを約束した受給者も多く、それに見合う収益を確保できなかった。

 同基金は掛け金(保険料)に応じ国の基礎年金に上乗せ給付する制度。一一年度末に必要な積立金は四兆一千十五億円だったが、実際の残高は二兆六千七百四十三億円となった。連合会は「長期的には必要な収益が期待でき、受給者や加入者への影響は当面ない」としている。

 ただ一兆円超の積み立て不足は〇八年度から解消しておらず、厚生労働省は「現状は望ましくない」との見方だ。連合会は運用成績の向上や、低迷する新規加入者の拡大に向け対策の検討を急ぐ。

 代表的な企業年金の厚生年金基金でも、積み立て不足の深刻さから制度廃止の方針が打ち出されており、公的年金を補う仕組みで相次いで“危機”が表面化した格好だ。

 連合会によると、一一年度の積立不足率は35%で前年度比2ポイント悪化した。受給者は三万六千人増の三十四万二千人、加入者は二万六千人減の五十二万二千人。掛け金を負担してきた人が受給側に回っている上、新規加入が二万人台に落ち込み受給者のみが増える傾向にある。

 年間の給付費は千二十一億円、掛け金収入は千二百二億円だった。給付費のうち十二億円は公費。

 

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