靖国神社(やすくにじんじゃ)とは、東京都千代田区九段北にある、非常に大規模な神社。
日本国を背負ってたたかってきた軍人・戦没兵士などを「護国の英霊246万6千余柱」たる祭神として祀っている。
祭祀形式などは他の神社と基本的に同じだが、神社本庁には属さない。
概要
1868年(明治2年)の設立以来、日本軍(陸軍省・海軍省)によって管轄された。
1946年(昭和21年)から、政教分離に伴い国の手を離れ、宗教法人「靖国神社」となった。
年間予算は約20億円。収入は戦没者遺族・戦友団体の奉納金、奉賛会など各方面からの寄付、附属する遊就館(後述)の入館料など。
宗教法人「靖国神社」の思想(歴史観)はさまざまな議論を呼び、日本の首相が戦没兵士の追悼のために参拝しようとするだけでも諸外国の反発を買うなど、面倒な問題が起こっている。
施設
境内は九段下駅から徒歩数分のところにあり、桜の名所としても知られる。
大鳥居から第二鳥居の間には、設立を企画した大村益次郎(初代兵部大輔、日本陸軍の父)の巨大な像が立っている。
遊就館をはじめ、靖国会館や能楽堂など、本殿参拝者のためだけでなく様々な施設がある。
遊就館
靖国神社が運営するミュージアム。
年中無休で、毎日朝9時から(元旦は午前0時から)開館している。入館料800円。
武器などを陳列する軍事博物館として、国立時代は東京国立博物館(東博)などと並ぶ在京の大きな国立博物館として知られた。現在でも国内屈指の規模と展示予算をかけた博物館であると思われる。
軍事遺産やそのレプリカ、戦争画、映像記録など非常に多岐・多数にわたる品が展示されている。
常設展示を一周すると、古代から大東亜戦争(太平洋戦争)まで国のために戦った人びとやその恩を偲ぶことができるようになっている。特に、大東亜戦争の戦没軍人についてはその遺影(約5000人分)や遺品が並べられている。
ただ展示パネルは戦へ赴いた人びとの精神顕彰に特化しており、戦争によって何がもたらされたか(実社会上の功罪、戦闘地以外での空爆や原爆等の被害、日本軍の加害etc.)や、戦闘以外の面での先人の国への貢献についてはほぼ触れられていないため、国内外から過度にイデオロギッシュであると批判されることがある。
祭神
靖国神社の祭神は、日本の国体側の軍人・戦没兵士ら「護国の英霊246万6千余柱」であるが、実は合祀基準は曖昧である。
ひめゆり学徒など女性5万7千余柱も含まれている。戦死者だけでなく、東京裁判で言う「A級戦犯」として命を絶たれた戦争指導者も祀られる。
魚雷攻撃で沈没した対馬丸に乗っていた700人の児童など、軍属と関係のない戦争被害者でも例外的に合祀されている場合もある。
なお、祭神は日本人とは限らない。日本支配時代の台湾・朝鮮出身の兵士も約5万柱含まれている。
遺族が合祀取り消しを求めた例は多数に及ぶが、靖国神社は「いったん合祀した霊魂は一体不可分となるので特定の霊のみを廃祀することは不可能であり、分祀(分遷)しても元々の社殿から消えはしないので無意味である」として応じていない。
裁判も何度も起こっているが、裁判所では「相容れない信仰をもつ者の信仰に基づく行為に対して、それが強制や不利益の付与を伴うことにより自己の信教の自由を妨害するものでないかぎり寛容であること」等とするため、法的根拠に基づく合祀取り消しは困難な現況であると思われる。
関連動画
関連コミュニティ
関連項目
神道 | 大日本帝国 | 大東亜戦争(太平洋戦争) | 千代田区
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読み:ヤスクニジンジャ
初版作成日: 12/10/23 19:15 ◆ 最終更新日: 12/10/23 19:48
編集内容についての説明/コメント: 年号で間違った箇所なおしました
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