内容
今回は「不思議な病気スペシャル!」
●自分の臭いが気になる女性。実は、それは知られざる奇妙な病気だった。
2002年、イギリス・ノースヨークシャー州。この街に住むクレア・ローズは、愛する二人の子供と恋人ステファンと共に幸せな毎日を過ごしていた。だがある時、クレアがスーパーに買い物に行くと、買い物客たちが「生臭い」と話しながら去って行った。しかし、クレアには全くニオイが分からない。
また、近所に住む姉が遊びに来ていた時のこと。クレアは姉から口臭を指摘される。さらに、二人の子供たちからも口が臭いと言われてしまった。スーパーの出来事を思い出し、自分の吐く息が原因だったのではないかと気づくクレア。仕事先の養護施設で、同僚にシャツを洗っているかと確認されたこともあった。口臭だけではなく、体臭もひどい、ということなのか。常に自分のニオイが気になるようになってしまったクレアは、30分おきに消臭スプレーを大量に吹きかけ、暇を見つけては歯を磨きシャワーを浴びた。それでも、周囲の反応で自分がまだ臭っていること知る。最も気づかれたくないステファンには、特に注意して接するようにした。だが、彼もクレアのニオイに気付き、会話の途中で窓を開けられショックを受ける。ステファンは決してニオイの事を口にしなかったが、そんな彼に余計に心が痛んだ。
恥を忍んで、病院にも相談。血液検査や尿検査、胃カメラなど様々な検査が行った。しかし、結果は全てにおいて異常なし。明確な診断はないまま、強力な口内洗浄液に、胃薬、腸の薬を出される。それでも、ニオイが改善することはなかった。
1日5、6回の歯磨きに10回のシャワー。臭う原因として考えられることは全てやってみたが、効果はなく、むしろ悪化しているようにも思えた。次第に、閉塞された空間に入ることさえ出来なくなり、職場も辞めざるを得なくなった。買い物に出かけるのもやめ、必要なものはネットで注文し配達してもらう。生活していること、生きていることが辛くて悲しかった。ついには、生きていても仕方ないと、鎮痛剤を大量に飲み自殺を図る。しかし、気がつくと病院のベッドで、傍にはステファンがおり子供たちが泣いていた。
交際から5年経った2007年、クレアはステファンと結婚。心の支えを得て、クレアはようやく自分の症状のことを積極的に調べられるようになった。
そして、自分のニオイが気になり始めてから早8年、2010年のこと。テレビである病気に悩む女性を追ったドキュメンタリーを目にした。その女性が悩まされているのは、『トリメチルアミン尿症』という病気。トリメチルアミン尿症は、食べ物が腸に到達すると、腸内細菌により「トリメチルアミン」という物質が発生する。この物質はもともと魚介類などに含まれている物質で、特有の生臭いニオイがする。
通常なら、この物質が肝臓に送られた時、「FMO3」という酵素が無臭化するのだが、この病気の患者はこの酵素に問題があって無臭化されずに血液中に取り込まれ全身を周ってしまう。そして、汗や尿、息に混じって常に排出されるため、臭ってしまうのだ。
原因は、遺伝子の異常と肝機能障害によるものからと考えられている。クレアの場合は、成人してから発症したため、肝機能障害だと思われるが、なぜそのようなことになったのかは全くわかっていない。さらに、厄介なことに、非常に症例が少ないため根本的な治療法もなかった。
ただ、症状を軽減する方法はあった。それは、食事療法。トリメチルアミンを作り出す、魚全般、イカ、タコ、カニ、エビなどのシーフードはもちろん、卵、豆類、肉類などタンパク質の多いものやキャベツ、カリフラワー、ブロッコリー、菜種油などアブラナ科のものを極力避けるというもの。
その代わり、トリメチルアミンを作りづらい、米、麦、芋などの穀物類やアブラナ科以外の野菜、フルーツや乳製品を食べることで、大幅に口臭や体臭を抑えることが出来るという。食事はクレアだけ別メニューだったが、臭いが無くなるならさほど苦痛に感じなかった。今では元気を取り戻したクレア。自分と同じ症状で苦しんでいる人たちのためにテレビにも出演し、大きな反響と理解を得ることが出来たという。
●ある女子大生に起こった異変。それは世界で唯一の症例だった。
2009年、アメリカテネシー州・メンフィス。この街に住むシェイナ・アイゾム(25歳)は、大学で法律を学ぶ3年生。友人も多く、楽しい大学生活を満喫していた。全てが順調な彼女だったが、とんでもない事態に襲われた!
9月のある日…喘息の発作に襲われたシェイナは、医師にステロイドを処方された。すると身体中に発疹のようなモノができた。病院の医師は、薬の副作用や、アトピー性皮膚炎などあらゆる病気の可能性を探るが、原因が分からない。
しばらくすると、脚が白く変色。腕、さらには顔にも、原因不明の白く硬いモノが大量に皮膚から付きだしてきた。その後、彼女の体はどんどん弱っていき、歩くことも困難に。さらには髪もすべて抜け落ち、食事をすることも出来ず、体重は激減。すっかり別人へと変わってしまった。
そして発病から2年後の2011年8月。シェイナは、テネシー州から約1500km離れたメリーランド州ボルチモアにある、難病の研究に大きな成果を上げている『ジョンズ・ホプキンス病院』に転院した。そこで改めて徹底的な検査を受け、医師たちは驚くべき診断を下した。「体に出来た白く硬いモノは、爪だということが分かりました」と医師。
本来爪は、指の先端を覆うモノをいい、体毛や皮膚と同じケラチンというタンパク質で出来ている。彼女の体を覆っていたモノを調べると、そのケラチンを構成するアミノ酸の配分量が体毛より爪に近かったという事だった。医師にとっても前代未聞の病気だという。世界で唯一の症例だとも…
それから症状を抑える為、17種類の薬を使用した投薬治療が始まった。治療開始から1年後…シェイナの症状は、少しずつ回復していた。だが髪の毛は、まだ生えない為、カツラをかぶっている。さらに…自力で立つ事も出来なかった彼女は、杖を使用して歩くことも可能なまでに。
しかし、一つ大きな問題が残った。それは彼女が処方している17種類の薬の内、保険適用される薬は、5種類しかなく、その為に、これまで未払いの治療費が約50万ドル、日本円で4000万円も残っていたのだ。そこで友人達が、基金を立ち上げた。さらにシャイナは勇気を振り絞ってテレビに出演し人々の理解を求めた。それはアメリカ全土に感動を呼び、多額の治療費が集まった。
最近、病気の原因は、遺伝子の異常な作用によって引き起こされた可能性が高いと考えられるようになった。現在、彼女の病気は治った訳ではなく、薬によって症状を抑えている状態だ。
今回もあっと驚く仰天ニュースがいっぱい!
キャスト
司会 笑福亭鶴瓶 中居正広
ゲスト(50音順)
磯山さやか 川合俊一 FUJIWARA 山田優
アシスタント
鈴江奈々
※本ページは日本テレビ放送網株式会社から提供されたデータを使用しています。 ※文中のリンクをクリックすると日本テレビ放送網株式会社の関連サイトへと移動する場合があります。 ※「日テレ公式情報」は、「東京」地方で放送される予定の内容、もしくは放送された内容に関するコンテンツです。ほかの地域で放送される内容、もしくは放送された内容と、本コンテンツの内容とは異なる場合があります。 |
不思議な病気スペシャル
出演者
- MC
- 笑福亭鶴瓶、中居正広、鈴江奈々アナ
- ゲスト
- 山田優、磯山さやか、川合俊一、FUJIWARA
番組内容
家族と幸せな毎日を過ごしていた女性がある日突然、カラダから異臭がするようになってしまった。それは歯を磨いても、時間おきにシャワーを浴びても消えないニオイ…。果たしてそのニオイの原因は?▽意識不明…耳と鼻から血を流し倒れた青年。それは普段の生活でよく目にするあるモノが引き起こした感染症だった。果たしてそれは?
音楽
- エンディング曲
- タイトル
- コール・ミー・ベイビー
- アーティスト
- カーリー・レイ・ジェプセン