田中法相辞任、後任は滝氏復帰

　野田佳彦首相は２３日、辞任した田中慶秋法相の後任人事の調整を進め、田中氏の前任者の滝実氏（７４）＝衆院奈良２区＝を復帰させる方針を固めた。拉致問題担当相は藤村修官房長官が兼任する。

　首相は２４日に後任を固め政権立て直しを図る意向で人選を進めていた。外国人からの献金問題で田中氏が辞任に追い込まれたことから、法相経験者で、堅実な政策通として知られる滝氏を充てることにしたとみられる。

　首相は２３日、後任が決定するまでの間の法相臨時代理に小平忠正国家公安委員長を正式に充てた。

　首相は田中氏辞任に関し、官邸で記者団に「私が任命した閣僚が職務を全うできなかったという意味では責任はある」と述べ、自身の任命責任を認めた。「内閣全体で職務にまい進することで責任を果たす」と今後の政権運営にも意欲を示したが、野党側の責任追及が強まるのは確実で、困難も予想される。

　後任人事をめぐっては、一時、政府、民主党内の一部で、拉致問題担当相を経験し「問題に精通している」（ベテラン議員）として、中野寛成、中井洽両氏らの名前が取り沙汰されていた。しかし、両氏は田中氏と同じ旧民社党グループに所属し、「また９月の代表選の論功行賞だという批判を招きかねない」（政府筋）との指摘から、最終的に起用が見送られた。

（2012年10月24日01時18分  スポーツ報知）

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