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今月の「月刊工事情報」
10月22日
国交省/がれき再生セメ活用の加点評価対象工事を拡大/11月から埼玉県でも
 国土交通省は、東日本大震災で発生した災害廃棄物(がれき)の処理を加速させるため、直轄工事でがれきを原料に使った再生セメントを利用する建設業者を総合評価方式の入札で加点評価する措置を拡大する。これまで岩手県内の工事に導入していたのを、11月からは埼玉県内の工事にも広げる。津波堆積物やコンクリートがらなども海岸堤防や港湾などの復興工事に積極活用。不燃混合物の残さや瓦くずなど使い勝手の悪い廃棄物の再生活用策も地元のニーズに応じて具体化させる。
 がれきを原料に使った再生セメントの生産は、岩手、青森県内のセメント工場が先行して行ってきたため、加点評価措置はこれまで岩手県内の工事で導入されていた。加点評価措置は7月から実施され、9月末時点で、既に開札済みを含め計12件の工事に適用されている。9月上旬からは埼玉県内にある太平洋セメント、三菱マテリアルの3工場でもがれきの受け入れを開始。同県内でも同様の再生セメントの供給が今後本格化することから、直轄工事での活用を推進する目的で、同県内の工事にも加点評価措置を新たに導入する。関東地方整備局に近く通知し、11月1日以降に入札を公告する工事への適用を進める。
 がれき処理の遅れは、被災地の早期復興を妨げの一因になっていると指摘されている。政府は19日にがれき処理に関する関係閣僚会合を開催した。この中で野田佳彦首相は、岩手、宮城両県のがれきについて「12年度内にすべての処理のめどをつけるよう、調整を終えることを目標とする」との方針を指示。目標達成への主な取り組み方針として、年内をめどに▽被災地の処理体制の増強(仮設焼却炉5基、破砕・選別施設3カ所)▽必要な試験処理を実施し受け入れ先を確定−などを掲げた。
 がれきの再生利用の推進については、国が実施する公共工事で被災自治体からの要請に応じて再生資材の活用を発注内容に盛り込むことや、自治体発注の工事でも積極的に活用するよう調整を図ることを求めている。国交省は、こうした政府全体の取り組み方針を踏まえ、がれき処理の支援策を強化する。同省でも公共事業への活用方法を模索する。被災自治体のニーズを踏まえ、工事の品質への影響なども十分に検証した上で、再生資材の使用などを工事契約の際に盛り込む方針だ。