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厚労省の精神医療改革

厚労省では、世界に立ち遅れた精神医療改革を目指して、平成16年に「入院医療中心から地域生活中心へ」という目標設定の施策に取り組
んできた。平成21年には、新たな地域精神保健医療の構築に向けた検討チームが発足され、検討を重ねてきた。下記がその報告書資料である。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2012/01/dl/tp0118-1-30.pdf#search=’%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%91%EF%BC%92%E5%B9%B4%E5%8E%9A%E5%8A%B4%E7%9C%81%E7%B2%BE%E7%A5%9E%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%94%B9%E9%9D%A9′

「地域支援」を連発しているが、8年経っても、国民の意識も実際の社会資源もほとんど変わらない状態に感じるのだが・・。
厚労省が、精神保健医療と福祉の予算分配を握っているうちは、改革など出来ないのでは。
予算も決定権限もそれぞれの県や市に任せ、地域性に応じた精神保健医療と福祉にしたほうが、よっぽど良いのではないだろうか。
厚労省の目標通り、地域支援体制が出来るようであれば、本来、医療観察病棟の病床数を減らさなければおかしい。医療観察病棟の病床数をどんどん増やしていくことは、結局のところ、厚労省の精神医療改革の失敗の証であろう。

滋賀県が、実態数に合わない病床数の医療観察病棟を建設しようとしても、厚労省が、13億円の交付金をあっさり出すようでは、精神医療改革も名ばかりということではないか。
滋賀県の場合、13億円を受け皿整備などの地域支援施策に回してもらったほうが、よっぽど改革を実感出来る。

京都ACTーKの挑戦

お隣の京都では、精神医療と福祉を融合し、精神障害者の立場にたった最先端の試みがされている。

しかし、滋賀県では・・・。

下記ご覧下さい。

www.youtube.com/watch?v=0DWpfgaShRc

滋賀県行政は、ACT-Kに取り組んでいる精神科医の高木俊介氏の著作でも読んで学んで下さい。

これがイタリアの精神保健!

イタリアでは、精神医療改革として、巨大精神病院が廃止され、地域精神保健に力を入れてきた。

そして改革の総本山トリエステでは、司法精神病院に入院する患者は減少しているとのこと。

来年には、イタリアで司法精神病院も全て撤廃される。

地域で支える仕組み作り、受け皿の福祉の充実。今の日本にこうした社会資源は十分にない。

滋賀県は、時代に逆行した愚策に邁進。

医療は医療。司法は司法。精神傷害の有無に関わらず、犯罪を犯したらどのような過程を得ても罪を償わせるわかりやすい形が偏見をなくす

近道かと思うが・・。

嘉田知事は、ご自身の政治塾で海外の成功している先進的な精神医療保健を学ぶ講座を設けたらどうだろうか。

下記ご覧下さい。
http://www.youtube.com/watch?v=inPz6ZzH0fQ

 

12月4日初公判決定

住民訴訟の第1回裁判が、大津地方裁判所で開かれる。

期日は、12月4日(火)午前10時~

傍聴出来ますので、地域住民の皆さんは、ぜひご参加下さい。

<大津地方裁判所>
http://www.courts.go.jp/otsu/

滋賀県医療観察病棟建設現場の進捗状況

 これが医療観察病棟建設現場の10月上旬の進捗状況である。現場監督の話では、来年の夏に完成予定。

医療観察病棟建設工事の概要

滋賀県のホームページに、「医療観察病棟建設工事概要について」が掲載されている。

http://www.pref.shiga.jp/n/byouin/iryoukansatsu/koujigaiyou/koujigaiyou.html

嘉田知事、他地域では説明会参加

<9月24日産経新聞記事>

新幹線新駅「必要」発言 知事苦しい釈明 地元自治会説明会 

住民ら「なぜ今さら」
嘉田由紀子知事が栗東市の東海道新幹線新駅建設を平成19年に中止にしながら、リニア中央新幹線開通を見越し一転して「県内に新駅は必要」と発言した問題で23日夜、嘉田知事は、新駅の建設予定地だった4自治会の住民らを対象にした説明会を栗東市役所で開いた。参加者からの「なぜ今さら」という批判に対し、知事は「当時とは状況が変わった」などと述べ、釈明に追われた。
説明会には、建設予定地だった蜂屋、上鈎(まがり)、下鈎、甲手原の4自治会の住民ら約50人が出席。8月26日に知事が自治会長らと面会し、住民らにも説明することを約束していた。
説明会の冒頭で、嘉田知事は県などが示した跡地の「まちづくり基本構想」(後継プラン)について説明しようとしたが、数人の住民から「発言に対する謝罪が先だ」との声があがり、知事は「地元の気持ちに思いをいたすことができず申し訳ない」と謝罪した。
住民からの「当時からリニアの計画はあったのではないか」との質問には、「リニア整備が正式に決まったのは昨年。また、北陸新幹線が県内を通る可能性が出たのもここ1、2年で、状況の変化を踏まえて今後30~40年の県内の交通を議論する必要が出てきた」と説明した。

嘉田知事は、他地域では釈明の説明会に参加しているようだが、訴訟も起きている当地域にはなぜ来られないのだろうか?

行政刷新「国民の声」受付窓口

内閣府「国民の声」では、身近な国のムダやおかしなルールの見直しなどについての提案募集をしている。

国の交付金(13億円)で建設予定のムダな計画についての見直しも提案したらどうだろう。

精神医療センターの稼働率は7割から8割。

病院事業庁のある成人病センターも空き病棟があるようだが・・。滋賀県内では、他にも空き病棟のある病院があるのに、また建てますか?

http://www.cao.go.jp/sasshin/kokumin_koe/index.html

県の配布資料(工事説明の状況)

9月12日、政策・土木交通常任委員会で配布された資料の、「工事説明の状況」の記載は下記の通り。

 

工事工程や工事車両経路、安全対策に関する住民説明会については、建設地 地元学区自治連合会と地元自治連合会に隣接する自治連合会のうち、要望のあった自治連合会に対し、行うこととしている。

(建設地元)
平成24年8月5日 草津市南笠東学区自治連合会(住民対象)

(隣接)
平成24年8月6日 大津市上田上学区自治連合会(役員対象)

平成24年8月21日 大津市上田上学区自治連合会(住民対象)

●草津市玉川学区については、自治連合会役員から、住民説明は不要との申し出有り。

●大津市瀬田地域(瀬田、瀬田南、瀬田北の4学区)については、4学区自治連合会長会議の役員に対して、9月4日に説明予定。

●隣接自治会ではないが、草津市志津南学区については、自治連合会長から「説明会は不要だが資料配布してほしい」との要望あり。資料配布済み。

●大津市青山学区については、工事を前提とした説明会についての要望はない。

 

県のスタンスとして「要望がなければ説明しない」とのこと。これだけ、お上意識丸出しの資料は久々拝見しました。

要望がなければ説明しないということを、各学区に平等にお知らせしましたか?

何も言わず、知らないふりして、後で資料として配布すること自体、県への不信感を募らせる行為ではないでしょうか。

工事を前提とした説明としてますが、住民訴訟も起きている状況で、県民が納得しないものを県の施設に建てる根拠を隣接している最大規模

の住宅地の住民へしっかり説明もしないまま、うやむやのまま強行することが、公務員のやることでしょうか?

また、他学区の「工事を前提とした説明会」参加者数を書いて下さい。

訴訟に対する県の方針案

9月12日県議会の政策・土木常任委員会で「医療観察病棟にかかる住民訴訟について」の議題が上がった。

http://www.shigaken-gikai.jp/voices/GikaiDoc/attach/Nittei/Nt2247_seisaku-doboku-s240912.pdf

県議会議員へ土木交通部建築課が配布した資料によると「訴訟に対する県の方針案」が記載されている。

内容は・・

 ●原告は、上記5点(注:訴状内容)について、滋賀県の行為が違法・不当であると主張するが、そのような事実はなく、住民監査請求も県の

行為の適法性、正当性が認められていることから、訴訟においても、この点を引き続き主張していく。また医療観察病棟の公益性、必要性に

ついても、あわせて主張する。

●本病棟に関する入札から契約、支払に至る諸手続は、地方自治法その他の関係法令に基づいて適正に執行されており違法性がないことから、

公金の支出差し止め、返還請求についても請求が不当であることを主張していく。

●工事については、計画通り適正に執行することとする。

「障害者刑事弁護人」で冤罪防止

産経新聞(9月8日付)に下記の記事が掲載されている。障害者の「真実」を聞き出す会話習得した「弁護士養成」を目指している。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120908/trl12090801000000-n1.htm

“真実”聞き出し冤罪防ぐ「障害者刑事弁護人」軌道に 大阪弁護士会

知的・精神障害がある容疑者を対象に、大阪弁護士会が全国で初めて導入した「障害者刑事弁護人」の名簿登録者が、スタートから約10カ月で150人を超えた。障害者らは取調官に迎合して虚偽自白をする恐れが強く、名簿には社会福祉士らによる研修を通じて“真実”を聞き出す会話手法を習得した弁護士が登録。すでに約80件の事件に派遣されるなど軌道に乗っており、同弁護士会は「全国的に広げていきたい」とアピールしている。

 知的障害などを持つ容疑者は、刑事司法の専門用語や手続きを理解していない可能性が高く、コミュニケーション能力に問題がある場合も多い。このため、取調官への迎合や自白の誘導・強要で冤罪(えんざい)に巻き込まれることもあるという。

 平成22年には、大阪地検堺支部が現住建造物等放火罪などで起訴した知的障害のある男性について「表現能力に問題があり、自白の信用性の立証が困難」として公判前に起訴を取り消したケースもあった。

 障害者の特性を理解した専門弁護士を育てるため、大阪弁護士会の高齢者・障害者総合支援センターは18年、「知的障害者刑事弁護マニュアル」を作成。裁判員裁判が導入された21年から、希望する弁護士を対象にマニュアルなどに基づく研修を始めた。

弁護士が毎月1回の計3回受講し、社会福祉士らの講義に加え、障害者の協力を得て模擬接見を実施。主語を明確にして質問する▽分かりやすい言葉に置き換える▽「はい」「いいえ」だけの答えにつながる尋ね方は避ける-といったコミュニケーションの取り方を学ぶという。

昨年11月、同センターは専門弁護士がある程度育ったとして、研修を終えた弁護士を名簿に登録。大阪地裁や捜査機関に対し、知的障害者に交付される療育手帳を所持するなど、逮捕・勾留した容疑者の障害を把握すれば弁護士会側に連絡するよう依頼し、名簿に記載した弁護士を当番弁護士や国選弁護人として派遣する制度を始めた。

さっそく同月下旬、通院先の精神病院のドアを壊したとして器物損壊容疑で逮捕された容疑者の連絡を受け、弁護士を派遣。この弁護士は、接見で容疑者が目線を合わせないことに気付いた。「慎重な対応が必要だ」と考え、担当検事に取り調べで誘導や強迫をしないよう配慮を求め、容疑者の主治医への面会も要望した。容疑者は不起訴(起訴猶予)処分となり、強制的な措置入院となった。

 その後も窃盗や無銭飲食の詐欺などさまざまな事件で弁護士が派遣されているという。

 法務省の矯正統計年報によると、昨年の新規受刑者約2万5千人のうち、知的・精神障害がある受刑者は約2割に上る。知的障害者らの取り調べでは録音・録画(可視化)が試行されているが、弁護側も専門家の育成が急務となっている。

 知的障害者の弁護に詳しい辻川圭乃(たまの)弁護士(大阪弁護士会)は「犯した罪は償うことが大前提だが、障害者だからといって不利に扱われてはいけない。捜査段階から専門知識を持つ弁護士がつけば、冤罪を防ぐとともに、再犯防止のための適切な支援を行うこともできる」と話している。

 知的障害者の取り調べの録音・録画(可視化) 大阪地検特捜部による押収資料改竄・犯人隠避事件を受けた検察改革の一環として、昨年4月から各地検で全面的な録音・録画を試行。取り調べで誘導されることなどを防ぐのが目的で、最高検によると、今年4月までの1年間で延べ540人の取り調べで実施された。精神障害を持つ容疑者の取り調べの可視化も試行する方針。警察でも5月から、知的障害を持つ容疑者の取り調べで可視化を実施している。

滋賀県精神障害者家族会の反対の取り組み

7月29日、滋賀県精神障害者家族会が、東京で講演した「医療観察入院施設設置反対の取り組み」の資料を入手。

その資料によると、昨年からの滋賀県精神障害者家族会の取り組みは・・・

●理事会における協議と合意、決定

●嘉田知事宛に反対意見書を提出、記者会見

●公益社団法人全国精神保健福祉連合会みんなねっとへ知事宛反対意見書を送付

●内閣府政策統括官障害者制度改革推進会議室長 東 俊裕 氏へ同上意見書を送付

●NPO大阪精神医療人権センターへ同上意見書を送付

●心神喪失者等医療観察法をなくす会東京アドボォカシー法律事務所所長 池原 毅和 氏へ同意見書を送付

●滋賀県庁内の県議会各政党事務所へ同意見書を各議員数分届ける

このように、様々な関係機関に働きかけていたようである。驚くのは、県議会の全議員にも配布しているにも関わらず、議員は全く動かなか

ったことである。受け取っていないと言っていた議員も中にはいたが・・・。あまりにも酷い。

青山時事新報No2を配布

青山、松が丘などの地域約3000世帯に「青山時事新報No2」を配布。住民訴訟のついての記事が掲載されている。

 

青山無視して、解体工事作業着手

滋賀県土木交通部 建築課によると、8月末に工事着工の連絡が、病院事業庁からあったとのことである。

滋賀県は、隣接地の青山学区を無視して、建設を強行するつもりのようだ。

既に、解体工事のための仮設事務所が、精神医療センター内に建設されている。

開設準備室の苗村室長は、近隣住民のことなど関係ないというスタンスで、裁判において言うべきことは言うと強きな姿勢。

どこまでも強引に進めるつもりのようである。

精神障害者家族会の方からの情報によると、7月29日に東京で全国的な「医療観察法の反対集会」が開かれ、滋賀県精神障害者家族会の方

が、滋賀県の医療観察病棟建設反対の取り組みを紹介したとのことである。

当事者関係団体が「やめてほしい」と言っているにも関わらず、滋賀県は「精神障害者の社会復帰のために」と言い続ける。

矛盾だらけの建設計画を滋賀県は断行する気なのだろうか。嘉田知事と苗村室長にはしっかり責任をとっていただきましょう。

 

上田上学区説明会状況報告

上田上学区の住民説明会に参加した方からの情報によると、県は9月上旬に工事着工をすると説明したらしい。

予定工程表の配布資料によると、「建物・防火水解体撤去工事」「防火水槽設置」などが9月に行われる。

住民訴訟が起き、一番近い青山学区に対しては、何のアクションもない状態のまま強行するつもりなのだろうか?

そこまでしたら、嘉田県政の歴史に残る愚行の幕開けといえる。

ちなみに、上田上では「今後の地域連携について」が説明されたようだ。かなり厳しい意見が上がっていたと聞いている。

苗村室長が肘をついたまま説明して住民から、誠意を感じられないと注意される場面もあり、また、とっとと逃げるように帰った県職員を見

て、礼儀も何もないと憤慨した住民もいたようである。

配布資料には、25年4月から地域連絡会議開催とあり、構成員の要請が行われるようだが、地域連絡会議の構成員には、青山学区は含まれ

ていないのだろうか?

社会的弱者の立場に立つ!弁護団団長 飯田昭弁護士

全国初「医療観察病棟 住民訴訟」

弁護団団長 飯田 昭弁護士(京都第一法律事務所)の紹介

http://www.daiichi.gr.jp/lawyer/iida.html

担当した主な開発・環境・まちづくりをめぐる事件

  • 一条山弁護団(事務局長)
  • 水俣病京都訴訟弁護団
  • 市原野ごみ焼却場差止め訴訟・住民訴訟弁護団(事務局長、まきえや2006秋、まきえや2005秋)
  • コープ鴨川暴力団追放訴訟弁護団(事務局長)
  • 京都駅ビル事件弁護団(事務局長)
  • 半鐘山弁護団(団長、まきえや2003秋、まきえや2007春)
  • 船岡山マンション問題弁護団(団長)
  • マンション(建築紛争・管理)、まちづくり関係事件(多数)
  • 上高野葬儀場の建設に反対!~京都市に審査請求~
  • 欠陥住宅+不適切排水路工事~業者と京都市の連帯責任を認める判決~(まきえや2006秋)
  • 仰木の里(幸福の科学学園進出問題)弁護団(団長)
  • 青山学区(医療観察病棟建設問題)弁護団(団長)

担当した主な消費者事件

  • レンタルハウス被害対策弁護団(幹事)
  • クレジット・サラ金問題対策協議会(幹事。事件多数)
  • 欠陥住宅事件(京都ネット幹事。事件多数、まきえや・2006春)
  • マンション分譲会社倒産による管理費「二重請求」問題~管理会社を提訴~

担当した主な労働事件

  • 日立エレベーター事件(組合間賃金差別事件)など。

担当した主な労災事件

  • JR運転士の自殺労災事件(まきえや2003春)など。

弁護士会関係の主な活動

  • 日弁連
    • (現在)公害対策・環境保全委員会委員
    • (経験)消費者問題対策委員会委員
    • (経験)倒産法制検討委員会委員
  • 京都弁護士会
    • 副会長(1998年度)
    • 弁護士偏在問題対策委員会委員長
    • 公害対策・環境委員会委員(元委員長)
    • 消費者保護委員会委員(元委員長)
    • 法律相談センター運営委員会委員(元副委員長)
    • 消費者・サラ金被害救済センター運営委員会(元委員長)

主な著書

  • 「歴史都市京都の保全・再生のために」(飯田昭・南部孝男著 文理閣)
  • 「京の自然保護とまちづくり」(京都弁護士会公害対策・環境保全委員会編 分担執筆 京都新聞社)
  • 「暴力団と戦った1201日」(コープ鴨川弁護団 分担執筆 かもがわ出版)
  • 「要点解説 改正破産法」(日弁連倒産法制検討委員会 分担執筆 商事法務)
  • 「個人再生手続マニュアル」(日弁連倒産法制検討委員会 分担執筆 商事法務)
  • 「QandA個人再生手続き」(日弁連倒産法制検討委員会 分担執筆 三省堂)
  • 「個人再生法の実務」(分担執筆 きんざい)
  • 「科学者のための法律相談」(京都第一法律事務所 分担執筆 科学同人)
  • 研究室から危険なウイルスが外部に漏れた!
  • 研究論文を他人に盗用され雑誌に掲載された!
  • 大学構内でセクシャル・ハラスメントが発覚した…
  • 化学反応による異臭で住民が避難・・・

大学関係

  • 立命館大学法学部非常勤講師(3回生「環境法演習」、4回生卒業論文指導担当。2005年~現在)
  • 京都大学大学院法学研究科非常勤講師(2002年~2004年。「現代社会と弁護士」担当)

その他の公的活動

  • 京都府消費生活審議会委員
  • 京都簡易裁判所調停委員
  • 景観と住環境を考える全国ネットワーク運営委員

嘉田知事への住民訴訟(結論)

第5.結論

以上より、本件病棟の建設に関して既に支出された46,129,650円(支払日:平成23年11月30日)及び15,951,600円(支払日:平成24年4月19日)の合計62,081,250円が滋賀県の損害となるから、被告滋賀県知事は、支出先である株式会社内藤設計及び株式会社勝村建設工業に対して、かかる金額及びそれぞれの代金支払日である平成23年11月30日及び平成24年4月19日から、民事法定利率年5パーセントの割合による遅延損害金の支払いを請求する法律上の義務を負う。

また、既に本件病棟の建設に関して建設工事に関する費用が一部支出されている以上、残りの工事費用についても、支出が相当の確実さをもって予測される状況にある。

よって、本訴請求に及ぶ次第である。

嘉田知事への住民訴訟(滋賀県主催の説明会における虚偽の説明)

下記は、大津地方裁判所に提出された訴状内容の「滋賀県主催の説明会における虚偽の説明」である。

2 滋賀県主催の説明会における虚偽の説明

滋賀県は本件病棟設置に関する説明会において、概要以下のとおり説明した。①医療観察法施行後、重大な再犯事件が起きていないこと、②本件病棟は、精神障害者の福祉向上の為に必要な施設であること、③既に本件病棟の建設を行うことは決定事項であり、国からの命令で行っていることに過ぎず、滋賀県はその代理者であること、④近隣住民へは、内容、回数とも誠意をもって説明した(平成24年1月31日定例記者会見)。

しかし、①については、心神喪失者等医療観察法に基づく入院治療を経たけれども再度犯罪を起こした事例は実際に生じており、滋賀県は、住民からの指摘を受けて、その誤りを認めている。②については、滋賀県精神障害者家族会連合会や、日本精神科病院協会滋賀県支部が本件病棟の建設について反対の意向を示している。③については、本件病棟の建設に関しては、厚生労働省と法務省の共同管轄による事業であるが、現時点においては、本件病棟の設置依頼がなされているだけであり決定事項ではない。④については、住民への説明会が最も多く開催された青山学区でも4回に過ぎない。さらに瀬田の4学区(瀬田、瀬田東、瀬田北、瀬田南)では、自治連合会長8名といった少数の住民に対してのみ説明が行われただけであり、到底、内容、回数とも誠意をもって説明したとは言えない。

よって、滋賀県は本件病棟設置に関する説明会において住民に対して虚偽の説明を行ったといえる。

 

3 小括

上述のとおり、地域住民等への理解と協力を求めるための計画前の適切な説明が本来必要であるが、実際には行われていないどころか、滋賀県は住民に対して虚偽の説明を行った。かかる滋賀県の対応は「地域住民等の理解と協力を得るよう努めなければならない」と定めた医療観察法109条やこれを具体化し地域連携を定めた上記各ガイドラインに違反し、違法である。

 

嘉田知事への住民訴訟(違法性/地域連携違反)

下記は、大津地方裁判所に提出された訴状内容の「違法性/地域連携違反」である。

第4 地域連携違反

1 医療観察法第109条とガイドラインの定め

医療観察法第109条(民間団体等との連携協力)では、「保護観察所の長は、個人又は民間の団体が第四十二条第一項第二号又は第五十一条第一項第二号の決定を受けた者の処遇の円滑な実施のため自発的に行う活動を促進するとともに、これらの個人又は民間の団体との連携協力の下、当該決定を受けた者の円滑な社会復帰に対する地域住民等の理解と協力を得るよう努めなければならない」と定められ、地域住民の理解と協力を得るべきであることが明示されている。

また、医療観察法の施行とあわせて、法律の目的に沿って制度が適切に運用されるよう基本的な事項や手続きを定めた2つのガイドラインが制定された。

法務省と厚生労働省発行の「地域社会における処遇のガイドライン」は、地方裁判所の審判で通院決定を受けた者や指定入院医療機関の退院許可決定を受けた者を対象としてその居住地における通院医療を中心とした処遇に関する取扱いを定めたものであるが、そこには「地域住民等への配慮」が明示されている。

そして、厚生労働省発行の「指定入院医療機関運営ガイドライン」は、指定入院医療機関の役割をはじめ入院決定から退院までの事務の流れや入院中の処遇など職員が事務手続きを行う際に留意すべき事項等を定めたものであるが、そこには、「地域連携体制の確保」として①通常時における地元自治体、関係機関等との連携、②緊急時における対応体制の確保が示されている。

こうした社会復帰を促進することを目的とする法律の運営にあたっては、地域住民等への理解と協力を求めるための計画前の適切な説明が本来必要であるが、実際には行われていない。

嘉田知事への住民訴訟(違法性/必要最小限度の原則違反)

下記は、大津地方裁判所に提出された訴状内容の「違法性/必要最小限度の原則違反」である。

3 必要最小限度の原則(地方財政法4条1項)違反

地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最少の限度をこえて、これを支出してはならない(地方財政法4条1項)。

本件では、滋賀県に居住を予定している入院対象者数は、平成22年度資料では3名にすぎない(出典~法務省HP統計表一覧:観察所別 居住地における生活環境調整事件の開始及び終結)。滋賀県での入院対象者が3名しかいないのに、本件病棟の建設計画では23床を予定していることの妥当性は全く見当たらない。そもそも、国はこの医療観察病棟建設について、全ての都道府県において整備を目指すとしており、滋賀県であれば、滋賀県の地域実情と対象者数を鑑みて、計画を立案しなければならない。整備については、平成17年10月に厚生労働省が各都道府県に14床以下の病棟も認めると通知しており、現在でも、5床しかない病棟の県もある。実態にそぐわない本件病棟の建設への公金の支出は必要最小限度の原則に反し、違法である。