社会
原発環境アセスメント無効裁判判決
(鹿児島県)
川内原発3号機の増設を巡って、原発増設計画に反対する市民団体のメンバーら65人が、環境影響評価書の無効などを求めた裁判の判決公判が開かれた。環境影響評価とは、発電所など環境に大きな影響を及ぼす恐れのある事業を実施する場合、あらかじめ環境への影響を調査、予測、評価し、適正な環境配慮を行うこと。環境アセスメントとも呼ばれている。原告らは、原子力発電で核燃料の反応によって発生した蒸気を冷やし、その後、海に放流される海水、「温排水」について、九電は環境影響評価の中で温排水の拡散範囲を実際より少なく報告しており、環境影響評価書は無効であることと、1600万円余りの損害賠償を求めていた。
判決で鹿児島地裁は、環境影響評価書の無効の確認について、「訴えの利益がなく不適法である」として訴えを認めず、損害賠償請求についても、「原告らに権利や法的利益の侵害はない」として訴えを退けた。
その後の会見で原告団の向原祥隆事務局長は「世の中の流れとまったく逆行している。事業者が悪意を持って虚偽の環境影響評価をしても許される構造にしかならない。今回の判決はまったくの不当だと思った」と話した。一方、判決を受けて九電は会見を開き妥当な判決であると述べた。
[ 10/23 19:17 KYT鹿児島読売テレビ]