国産商品購入キャンペーン「こくポ」スタートも、告知不足の声
国産の商品を買うと豪華商品がもらえる農水省支援の事業「こくポ」が、10月からスタートしている。
国産の毛ガニや和牛が抽選で当たるお得なポイント制度「こくポ(国産応援ポイントプログラム)」。
街の人は、「こくポ? 聞いたことありません」、「国民保険(国保)?」、「保険か年金ですか?」と話した。
なじみの薄い「こくポ」。
取材をすると、大手スーパーの売り場に「こくポ」と書かれた売り場があった。
東京・大田区のイトーヨーカドー大森店では、国産ブランド米に「こくポ」のシールが貼ってあった。
こくポは、国産の食品を買うとポイントがもらえ、抽選で全国の特産品が当たるという新たな取り組み。
農林水産省が支援し、10月から始まったキャンペーン。
農林水産省食料自給率向上対策室の松本 平室長は「(食料)自給率を上げていく取り組みのためには、やはり、直接商品に働きかけるものが必要になってくるわけなので。消費者の方に国産品を購入していただく契機をつくれるように、この事業を支援しているところであります」と話した。
対象品の国産米を買うと、100円ごとに1ポイントがもらえ、2ポイント分から参加できる抽選にインターネットで応募すれば、毛ガニやカンパチ、さらに和牛など、全国各地の特産品がもらえる。
来店者は、「(こくポどうですか?)肉とかカニとかいいですね。欲しいです」、「国産のものに、これだって印がつくのは、とっても良いことだと思います」と話した。
ある調査では、高くても国産品を買うという人が51.2%と、過去5年間で最低を記録するなど、国産食品離れが進む日本。
そこで、こくポキャンペーンでは、農林水産省が6,500万円を事業運営費として支援。
ポイントでもらえる商品は、参加企業からの協賛金などで負担し、国産食品の購入促進につなげたいとしている。
ところが、この「こくポ」キャンペーンを街の人に聞いてみると、「初めて聞いた」という声が多く聞かれた。
街の人は、「浸透していない」、「(PR不足?)聞いたことがない」、「そんな(制度)があったなんて聞いたことない。わたし、よくテレビ見ているけど」などと語った。
10月から始まったものの、対象となる商品を販売しているのは、イトーヨーカドーのみ。
さらに、今のところ対象となっているのは、国産米19品目だけ。
一方、東京・品川区の国産米専門店「こくぼ」の人は「(こくポは知っていましたか?)話伺うまで、知らなかった。いいことだと思います。ただ国産の農産物とか扱っているお店。われわれ商店街とかでやっている個人商店に、話が回ってこなかった」と語った。
こくポの運営事務局によると、キャンペーンには、企業の規模にかかわらず、申請すれば参加できるというが、小売店の中には、「こくポ」の制度自体を知らないという店も多く、告知不足が明らかになった。
「こくぼ」の人は「地域によっては、近くに大きな量販店がなかったりという地域もあるので、街の小さなお店とかにも、広めていった方がいいと思います」と語った。
こくポキャンペーンは、当面、2013年2月末まで行い、消費者の反応を見ながら、2013年度以降も続けるかを検討するという。
農水省の食料自給率向上対策室の松本 平室長は「認知度がない中で、まずは大手量販店に取り組んでもらい、認知度を上げていく。目標としては、50の企業や団体、店舗としては、500店舗まで拡大していければと思う」と語った。