パソコン遠隔操作で横浜市のホームページ（ＨＰ）に小学校襲撃予告が書き込まれ、少年（19）が誤認逮捕された事件で、横浜地検は23日、少年に非行事実はないと判断した資料を提出し、保護観察処分を取り消すよう家裁に要請した。極めて異例の手続きで、家裁は少年法に基づき、成人の事件では無罪に相当する処分取り消しの決定をする見通し。

　神奈川県警によると、少年の認否は捜査段階で変遷しており、地検と県警は、供述の誘導を含め不適正な捜査がなかったか検証している。

　一連の事件では、大阪地検が既に大阪府の男性の起訴を取り消しており、警視庁と三重県警は逮捕した男性をそれぞれ処分保留で釈放し、東京地検と津地検は近く、嫌疑なしで不起訴とするとみられる。

　横浜地検の堀嗣亜貴ほり・つぐあき次席検事は23日、「捜査に不十分な点があったことは否定できない。心よりおわびします」と謝罪。処分取り消し要請について「少年の非行事実が存在しないことが明らかになった」と説明した。