PC遠隔操作:地検調書、上申書と同内容…横浜の事件

毎日新聞 2012年10月23日 11時57分(最終更新 10月23日 12時11分)

 横浜市のホームページ(HP)に小学校襲撃予告が書き込まれた事件で、横浜地検の調べに誤認逮捕された男性(19)が容疑を認めた供述調書は、男性が神奈川県警に提出した上申書と内容が同じだったことが分かった。検察幹部は「供述を吟味して、(県警とは)違う角度から見ないといけないが、結局、上塗りになってしまった」と話し、県警の捜査に対し、地検がチェック機能を果たせていなかったことを認めた。

 ◇チェック甘さ認める

 男性は6月29日の事件発生直後に容疑を否認する上申書を県警に提出し、7月1日の逮捕時も改めて否認。しかし、同4日に容疑を認め、予告文の文言や発信者名の由来なども記載した上申書を県警に提出した。翌5日には再び否認に転じた。

 地検は、男性の県警に対する供述が不自然に変遷していることを把握した上で取り調べていた。地検の調べにも当初は容疑を否認したが、7月19日に「楽しそうな小学生を見て困らせてやろうと思った」と容疑を認める供述調書が作られた。しかし、捜査関係者によると、調書の内容は県警に男性が出した上申書とほぼ同じ内容だったという。

 県警の取り調べでは「認めなければ少年院に行くことになる」と自供を促していた疑いが濃くなっている。ただ、地検幹部は「(男性が)自分で身の振り方を考え、供述態度を決めた」と話し、誘導などはなかったという認識を示した。

 保護観察など保護処分の取り消しは少年法に規定された手続き。成人の「再審」にあたり、少年に非行がないのが明らかな事情が新たに見つかった場合、家裁は処分を取り消さなければならない。少年の保護処分が取り消されれば異例で、その場合は身柄拘束に対する補償が法で定められている。

 ◇19歳の保護観察処分取り消しへ

 横浜地検は23日、威力業務妨害容疑で逮捕され保護観察処分を受けた男性の関与はないと断定し、処分を取り消すよう家裁に申し立てた。【山下俊輔】

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