国会の赤じゅうたんでオドオド オーラの消えた橋下徹
【政治・経済】
もともとないのに大マスコミが作った虚像だった
「表情に力がない」
「オーラがなくなった」
維新はここへきて支持率が急落。国政新党を結成したはいいが、参加した国会議員は選挙目当ての“ガラクタ”と揶揄(やゆ)され、さらに市長と国会議員の権力争いも露呈し、メッキが剥がれてきた。それが影響してか、国会内の赤じゅうたんを歩く橋下は、借りてきた猫のようで、オドオドして自信なさげだった。
「国政政党の代表といったって、一地方の首長に過ぎません。国会の勝手は分からないし、ましてや国対も知らない。だから当初、『国政の大きな方針や戦略は自分が出す』と大阪から遠隔操作するようなことを言っていたのに、15日は『議員団代表の松野さんに任せている』と修正していた。国政と地方行政の違いがやっと分かってきたんじゃないですか」(ある野党議員)
次期衆院選の戦略でも軌道修正。一度ソデにした「みんなの党」に懺悔(ざんげ)し、選挙協力するため共通政策作りに着手することで合意した。全国300の小選挙区のほとんどに独自で候補者を立てる方針も、“大風呂敷”を広げただけで終わりそうだ。
「維新の会では、全国のブロックごとに地方議員の担当者を決め、選挙をサポートすることを決めていますが、実際は非現実的です。橋下市長が全てを遊説で回れないし、費用もかかる。第三極との選挙協力でエリアを分け、小選挙区は近畿地方などに候補者を集中させて全勝を狙った方が、選挙後に維新の価値を高く売れる」(維新の地方議員)
つまり維新の真の実力はこの程度。これまでの橋下はメディアが持ち上げ、作り上げた“虚像”だったのだ。政治評論家の森田実氏がこう言う。
「橋下市長は『月の光』。大マスコミが『太陽の光』を差して初めて光っていたのです。飽きっぽいマスコミが持ち上げるのをやめた途端、勢いがなくなった。落ちぶれた昔のスターみたいなもんです。そのうえ、中央への色気を出したことで、大阪でも熱は冷めています。『アイツも大阪だけじゃつまんないから東京へ行くのか』と。『二兎を追うものは一兎をも得ず』の典型です」
しょせんタレント市長。落ち目になれば気弱になるもんだ。