Updated: Tokyo  2012/10/23 12:33  |  New York  2012/10/22 23:33  |  London  2012/10/23 04:33
 

死海が急速に縮小、化学肥料メーカーに取水制限求める声高ま

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  10月23日(ブルームバーグ):死海が急速に縮小し、イスラエルとヨルダンでは化学肥料メーカーの取水制限を求める声が高まっている。死海はその回復効果で聖書の時代から多くの観光客を集めてきた。

イスラエル水理学局によると、死海は工業用水の取水や蒸発によって過去1年間で1.5メートルも水深が下がった。これはデータを取り始めた1950年代以降で最大。環境保護団体フレンズ・オブ・アース中東のイスラエル担当ディレクター、ギドン・ブロムベルグ氏は、水深低下の半分の原因がイスラエル・ケミカルズ とヨルダンのアラブ・ポタシュ にあると述べた。

ブロムベルグ氏はテルアビブからのインタビューで「これは受け入れられない。工場側に取水過程を変更させる緊急の必要性に迫られている」と述べた。

化学肥料の原料となる炭酸カリウムのメーカーは死海周辺の観光業界と水利を争っている。死海はイスラエル最大の観光地で、昨年は85万7000人が訪れた。観光省によると、テルアビブやエイラトの海浜リゾートよりも多い。

聖書時代のダビデ王の隠れ家とされている死海の環境悪化を招いているのは取水だけではない。死海に流れ込むヨルダン川でも農業用で取水されているため、浜辺では人身事故の危険性がある水たまりができている。

フレンズ・オブ・アースによると、死海の北部は50年前には75キロメートル、現在は55キロメートルにわたっている。温泉があり、医療効果がある泥風呂や鉱泉が楽しめる。水浴びをしたければ、馬車に数分揺られるか、もう少し長く歩かなければならない。死海の塩分濃度は海よりも約10倍高い。

原題:Dead Sea Water Loss Grows With Potash Makers Demand:Commodities(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:Jerusalem Gwen Ackerman gackerman@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Andrew J. Barden barden@bloomberg.net

更新日時: 2012/10/23 10:40 JST
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