iPS臨床問題:日経、朝日にも売り込み 8月前半から

毎日新聞 2012年10月13日 21時51分(最終更新 10月13日 22時06分)

 人工多能性幹細胞(iPS細胞)の臨床応用を行ったと一部で報じられた日本人研究者の森口尚史氏が、ノーベル医学生理学賞発表の約1カ月前から、報道した読売新聞以外にも報道機関各社に盛んに取材の売り込みをかけていたことが分かった。

 これまでの各社の検証記事や取材によると、森口氏が早い時期に接触を試みたのは日経新聞で、8月前半だった。その後、メールで何度か打診があり、10月初旬に取材をしたが、記事化を見送っている。

 毎日新聞記者に最初に持ちかけてきたのは9月3日。記者は同13日、大阪市内で森口氏本人に直接取材した。同23日には、別の記者にも取材依頼があり、10月5日に東京大で取材が行われたが、本紙はいずれも結果的に見送っている。

 朝日新聞には9月30日、森口氏から記者にメールが送られ、10月3日に東大で取材が行われたが、最終的に記事にしなかったとしている。

 一方、読売新聞によると、森口氏が取材を持ちかけてきたのは、9月19日。10月4日に東大で取材が行われたとしている。

 森口氏の各紙への取材の持ちかけは、山中伸弥・京都大教授のノーベル医学生理学賞受賞が決定した10月8日の約2カ月前から始まり、1カ月前ごろから活発化し、10月に入って集中的に取材を受けている。

 森口氏がiPS細胞の臨床応用を実施したと報じた読売新聞は、13日付朝刊1面で「森口氏の説明は虚偽で、それに基づいた一連の記事は誤報」などとし「おわび」を掲載。読売報道後に森口氏の主張を報じた日本テレビも13日午前のニュース番組で「森口氏の言い分を断定的にお伝えしたもので、裏付け取材が不十分なまま報じた不適切なものでした」と謝罪し、誤報だったとの見解を示した。【伊藤一郎】

 ■森口氏の取材依頼の経緯■

8月前半 日経新聞記者に取材持ちかけ

9月3日 毎日新聞大阪本社記者に取材持ちかけ

  19日 読売新聞記者に取材持ちかけ

  23日 毎日新聞東京本社記者に取材持ちかけ

  30日 朝日新聞記者に取材持ちかけ

10月8日 京都大iPS細胞研究所長の山中伸弥教授のノーベル医学生理学賞受賞が決定

  11日 読売新聞が、森口氏がiPS細胞の臨床応用を行ったと報道

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