2012年8月放送分

訴えられた科学者たち ~イタリア 地震予知の波紋~

  放送: 8月18日(土)22:00~22:49
 再放送: 8月26日(日)20:00~20:49

イタリアで<地震予知>を巡って、科学者と行政官が『過失致死』容疑で震災被害者に刑事告訴された。2009年4月、イタリア中部の都市ラクイラでマグニチュード6.3の大地震が発生、309人が死亡、2万棟を超える建物が崩壊した。ラクイラではこの数か月前から400回を超す群発地震が頻発し、人々の間で「大きな地震が来るのでは?」という不安が広がっていた。しかし、パニックと風評被害を恐れる市は、行政官と科学者で構成される「災害対策委員会」を開催、事実上の『安全宣言』を出した。その6日後に本震が起こり、甚大な被害が発生したのだ。市民たちは、市が『安全宣言』を出さなければ、危険を回避できたと、刑事告発に踏み切った。これに対し、科学者からは不確実な未来を予見し、罪に問われれば、科学者は何も発言できないと、反発が広がっている。災害対策委員会が安全宣言を出すまでの議論をもとに、災害の予知情報をどう伝えるべきか、検証する。