2000年に起こった「セカンド・インパクト」の後、わずかに生き残った人々が正体不明の謎の敵性生命体・使徒の襲来に怯えながら暮らしている2015年の第3新東京市。その地下に位置する特務機関NERV(ネルフ)の最高司令官・碇ゲンドウ(立木文彦)は、使徒撃退のために、「汎用人型決戦兵器人造人間エヴァンゲリオン」の開発と実用化計画に着手していた。そんなある日、父親であるゲンドウから突然呼び出されたのが、14歳の少年・シンジ(緒方恵美)。彼は、誰からも嫌われないために誰にも心を開かない決意をした孤独な少年だった。
NERVに到着したシンジが命じられたのは、襲来した使徒を撃退するために「エヴァンゲリオン」通称EVAの初号機を操縦すること。初めて乗ったEVAとシンジは驚異のシンクロ率を見せ、シンジの意志とは関係なく、EVA初号機は初戦にして使徒をせん滅することに成功した。その後も作戦に参加するため第3新東京市に住むことになったシンジを、彼の上官でありNERVの作戦部長であるミサト(三石琴乃)は自宅に連れていくことに。
シンジにとって初めての他人との共同生活。最初はミサトとも同級生ともうまく打ちとけることができないシンジだったが、いくつかの戦いを経て少しずつ自然にふるまえるようになっていく。しかし、彼にも何を考えているのか理解できない存在がいた。EVA零号機のパイロットでもあるクラスメイトの綾波レイ(林原めぐみ)だ。レイはゲンドウや科学者のリツコ(山口由里子)らとともに、EVAの開発の初期段階から実験に参加してきた美少女。その過程で使徒と融合しようと暴走したEVA零号機から強制排出されたレイは、身体に大きなダメージを負っていた。それ以来、EVA零号機は活動を凍結。一方で、ゲンドウとレイの間には誰にも立ち入ることのできない深い絆が育まれていた。実の息子である自分には見せたことのないリラックスした表情でレイと話すゲンドウの姿に、シンジは嫉妬とも怒りとも言えない複雑な感情を抱くのだった。
そんな中、シンジにとって3体目となる使徒が襲来。これまで以上に強力な敵を相手に、まったく歯が立たず、かといって逃げることもできずに負傷してしまうシンジ。初号機ごと強制避難させられたシンジはそのまま病院に入院することになるが、その間にも使徒はNERVの中核に向かって侵略を進めていた。ゲンドウの計画を遂行するためには、初号機が使徒と戦う必要がある。精神的にも深く傷ついたシンジに対して、淡々と使徒せん滅の計画を告げるレイ。シンジがEVAに乗ることを拒否するならば、まだ傷が癒えていないレイが一人で使徒と戦わなければならない…。その事実を知りながらもグズグズと決断できずにいるシンジを、ミサトはある場所に連れていく。そこでシンジが目にしたのは、かつて地上に襲来した使徒“リリス”。すべての人類を「サード・インパクト」から守るためにNERVが存在していると聞かされたシンジは、再び初号機に乗る決意を固める。
作戦はレイが使徒の攻撃を食い止めている間に、日本中の電力パワーを集結した世紀の“1発”でシンジが使徒の中枢をぶち抜くというもの。それが外れれば、使徒によるNERVの本部への直接攻撃が可能になり、それはつまり、全人類の滅亡をもたらす危機の始まりを意味する。決して負けることは許されない究極の「ヤシマ作戦」。シンジとレイはそれぞれの決意を胸に、EVAに乗り込むのだが…。