最高裁判所の統計によると、ここ10年近くは、自己破産の申立件数がずっと増加してきましたが、2004年に減少に転じました。自己破産者が減少した要因は、景気回復や金融業者への規制強化が考えられる、としています。2004年1月に施行されたヤミ金融対策法により、無登録業者への広告禁止、高金利要求罪が適用され、全国の都道府県警察でも取締りを強化している効果もあるとのことです。しかし、自己破産件数が多いことに違いはありません。クレジットカードの普及や、消費者金融の積極的なコマーシャルや営業(今でも色々なところでティッシュ配りをしてますよね)が社会的な背景として考えられます。自己破産手続に関する法的な整備がきちんと整ってきたことも、皮肉なことに、自己破産件数を増やしている理由とも考えられます。また、最近では離婚件数の増加や、裕福な層とそうではない層の二極化が進んでいることも考えると、今後も自己破産件数が、一度に減っていくことは考えづらいと思われます。
自己破産者を年齢別に見ると、割合的には40歳代が一番多く、30歳代、50歳代と続きます。そして、意外と20歳代も自己破産者の中で、かなりの多くの割合を占めていることが分かります。この年齢ですと、仕事も出来ますし、様々な方法で収入を得ることは可能ですから、自己破産せず、借金の返済も問題なく出来るように思われます。しかしながら、消費者金融の中心的な顧客層は若年層、しかも「低収入」の若年層の男性であることが消費者金融連絡会の調査で判明しています。新規顧客の45%近くが30歳未満で、年収では500万円未満80%程度でとりわけ200〜399万円の層は50%近くを占めており、ここが消費者金融のターゲットの層になっていることが分かっています。消費者金融からの借金だけが原因ではないのでしょうが、消費者金融の資金使途としては、給料日やボーナス前のちょっとした急な出費が主な理由になっていることを考えると、初めは軽い気持ちで借金をし始めて、結局収入が返済に追いつかなくなって、結果的に自己破産してしまうパターンというのが多そうです。