お金集めすぎと批判され値下げ
河村能宏記者 朝日新聞 文化くらし報道部
ジャン NHKが10月から受信料を値下げしたって聞いたよ。
河村記者 NHKは、番組を作るのにかかるお金を視聴者に負担してもらっているんだ。それが受信料さ。今回初めてその値下げをしたんだ。
ケン どれくらい安くなるの?
河村記者 料金パターンはいろいろあるけど、例えばこれまで1か月に1345円をNHKに支払っていた人は、1225円と120円安くなった。
ポン なぜ値下げをしたの?
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| ▲NHK放送センター=東京都渋谷区©朝日新聞社 |
――2004年以降、NHKでは、職員が受信料を不正に使う問題が相次いだんだ。その時に「NHKはたくさんお金を集めて大きくなりすぎたからこうなった」と批判が出た。それでNHKは何年もかけて話し合い、視聴者のために値下げをしようと決めたわけさ。
ジャン 一体、どれぐらいお金が集まるの?
――一年間に約6500億円ぐらいだよ。
ポン えっ、すごい数字だ! でも、値下げしたら、お金が減るね。
――NHKの計算では、今年から3年間で1162億円も減る。だからNHKは、受信料を支払っていない人に、「ちゃんと払ってください」と呼びかけている。
ジャン 受信料って絶対払わないとだめ?
――法律に「テレビを設置した人は、番組を見るためにNHKと契約しなさい」とある。契約する時、NHKと「受信料を払います」と約束を結ぶから、契約したら、払わないといけない。ただ、約束を破っても罪に問われないから、払わない人も多いよ。テレビがあっても約束しない人もいて、10世帯に3世帯は払っていない計算になるんだ。
ケン 払わない人にはどうすることもできないんだね。
――いや、最後の手段がある。裁判所に「払うように命令してください」などと訴えるんだ。最近話題になったのは、大手ホテルチェーンの東横インという会社に5億5000万円を払うよう裁判所に訴えたニュースだ。
ポン NHKも必死だね。
――きちんと払っている人に「払って損をした」と思われないようにしないといけないからね。
ジャン そもそもなぜ受信料を集めるの?
――NHKが公共放送だからだ。公共とは社会とも言い換えられる。社会のためになる番組を放送するから、みんなでお金を出し合って支えてあげようという仕組みになっている。「受信料がちゃんと入ってくるんだから、お金もうけはしないで、いい放送をして下さいね」というわけさ。
ケン 例えばどんな放送?
――地震や台風などの災害時に役立つ情報をちゃんと届けることや、教育や福祉、日本の伝統文化、科学の大切さやすばらしさを伝える番組作りをする責任が、NHKにはあるんだ。
ポン テレビ朝日やフジテレビとかは受信料を集めないの。
――集めない。あちらは民間放送、いわゆる民放と呼ばれている。受信料ではなく、いろんな会社からお金をもらって運営する。代わりに、その会社の商品やサービスを宣伝するCMを番組の途中で流してあげる。企業がテレビ局にお金を出したくなるようなバラエティーやドラマを中心に放送しているよ。でも、最近は「NHKも民放のような娯楽番組が増えていて、公共放送の役目を果たしていない」という批判の声もあるんだ。
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