中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

巨人が逆王手 石井がサヨナラ打

2012年10月22日 紙面から

巨人−中日 9回裏1死満塁、サヨナラ打を放ち、矢野(右)から手荒く祝福される石井=東京ドームで(潟沼義樹撮影)

写真

◇CSファイナルステージ第5戦 巨人3−2中日

 中日は何度もチャンスを作りながら、あと1本が出ず、ブランコの2ランだけ。巨人がサヨナラで競り勝った。2回、1死満塁から古城の2点適時打で先制。5回に追い付かれたが、9回1死満塁から代打石井の左前適時打で決着をつけた。先発内海は5回途中2失点で降板したが、福田、マシソンと救援陣の踏ん張りが光った。

     ◇

 決してカッコイイ当たりではなかった。だが、1打席にかける執念とベテランの意地が打球に乗り移っていた。同点の9回1死満塁。代打の代打で送り出された石井が三塁後方にポトリと落ちるサヨナラタイムリー。負ければ即終戦の大一番に決着を付けたバットマンは「最高です!」と甲高い声で叫んだ。

 2勝3敗と追い込まれて迎えた一戦は中3日で登板したエース内海が2点リードを守れず。東京ドームに漂い始めた重苦しい空気を見事に振り払ってみせた。「みんながつないでくれて、なんとかしようと思っていた。落ちてくれ! という気持ちで走りました」。文字通りの値千金の一打に原監督も「本当に素晴らしいですね。ああいうヒットを打てるというのは素晴らしい」と脱帽だ。

 昨年限りで西武から戦力外通告を受けたが、勝負強い打撃を買われて巨人入りが決まった。新天地での復活を目指し、自主トレで出向いたのはWBA世界スーパーフライ級元王者、鬼塚勝也氏が主宰する福岡市内のボクシングジム。「鬼さんと練習することで体もそうだけど、精神的にやらなきゃという気持ちになれる」。リングで養った闘争心と研ぎ澄ました肉体が充実の16年目を演出した。巨人移籍1年目の今季は出場51試合のうち、スタメンは2試合だけ。17本のヒットはすべて代打で放った。常々「オレの取りえはバッティングだけ」と語る通り、バット一本で自らのポジションを勝ち取った。

 第2戦では好機に完ぺきな当たりを放つも遊撃へのライナー。「アンラッキーボーイ石井です」と自嘲気味に語っていたがこの日は「明日もこのバットを使いますよ。ゲンがいいんでね」とニヤリ。3連敗からの2連勝で逆王手。流れは完全に巨人にある。 (臼杵秀之)

 

この記事を印刷する

PR情報

おすすめサイト

ads by adingo




中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ