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“iPS細胞誕生”過程明らかに10月21日 19時13分
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ノーベル医学・生理学賞の受賞が決まった京都大学の山中伸弥教授がiPS細胞を作り出すまでの過程を記録した研究チームの資料をNHKが入手しました。
資料には、皮膚の細胞に24種類の遺伝子を入れることで世界で初めてiPS細胞の原型を作りだしたことが記録されています。
この資料はiPS細胞づくりの実験を担当した研究チームの高橋和利講師が山中教授に報告するため定期的に作成していたもので、特許の取得のため、これまで公開されていませんでした。
資料によりますと、研究は平成17年6月、2万以上あるマウスの遺伝子から初期化に関係すると研究チームが考えた24種類の遺伝子を選び出し、iPS細胞づくりの実験計画を立てるところから始まります。
実験では、皮膚の細胞に遺伝子を一つずつ入れ、変化を観察していましたが、24種類の遺伝子をすべて入れてみたところ、細胞に変化が確認され、世界で初めてiPS細胞の原型が誕生したことが平成17年8月に研究チームの内部で報告されています。
資料には、9つのiPS細胞の原型を撮影した写真があり、現在のiPS細胞に形が似たものから形の崩れた不完全なものまでありました。
また、研究チームが、この後、1か月余りでiPS細胞作りに必要な4種類の遺伝子を特定するなどノーベル賞の受賞理由になったiPS細胞作成に至る詳細な経過が記されています。
この資料について、京都大学iPS細胞研究所の担当者は「当時の研究チームが何をしてきたのか分かる資料で、日本の科学の歴史を振り返る際に役立ててもらえるようにしたい」と話しています。
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