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電気ケトルで乳幼児のやけど相次ぐ
10月22日 5時46分

電気ケトルで乳幼児のやけど相次ぐ
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手軽にお湯を沸かせる「電気ケトル」を倒し、こぼれたお湯でやけどをする乳幼児が相次いでいることが分かり、消費者庁はお湯漏れ防止機能がついた製品かどうか明示するよう、各メーカーに求めることになりました。

電気ケトルは、コーヒーカップ1杯分のお湯であれば1分余りで沸かすことができる手軽さが特徴で、ここ数年、急速に普及しています。
これに伴って、子どもが倒してやけどをする事故が相次いでいることがNHKが行った情報公開請求で分かりました。
去年4月から1年余りの間に電気ケトルが原因でやけどをし、治療を受けた6歳未満の乳幼児は、消費者庁が報告を依頼している13の病院だけで、少なくとも9人いました。
このうち5人は1歳未満で、いずれも低いテーブルなどに置いてあった電気ケトルを倒してお湯をかぶっていて、広範囲にやけどをして入院が必要になったケースもありました。
これとは別に、日本小児科学会にも電気ケトルによるやけどの事故が3件報告されていて、生後8か月の女の子が、2か月入院し、その後、皮膚移植を繰り返しているケースもあるということです。
保温を目的とする電気ポットと異なり、電気ケトルにはお湯をこぼれにくくする安全基準がないことから、消費者庁は消費者が購入の目安にできるよう、お湯漏れ防止機能がついた製品かどうか明示するよう各メーカーに求めることになりました。

“子どもを不慮の事故から守るシステムを”

電気ケトルによるやけどの事故について、日本小児科学会で子どもの事故情報を担当する山中龍宏医師は、「子どもの身の回りに新しい製品が出回ると必ず新しい事故が起きる。明らかになったのは氷山の一角と考えられ、特に乳幼児の場合、やけどは死亡事故につながりかねないので、国は、企業の自主的な対策を期待するだけでなく、安全基準を決めるなど、子どもを不慮の事故から守るシステムを考えるべきだ」と指摘しています。

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