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●内容証明郵便とは

内容証明郵便とは「誰が、いつ、誰に、どのような内容の手紙を出したか」を日本郵便が第三者として証明してくれる郵便です。主に敷金の返還請求やクーリングオフの通知などで、後になってお互いが”言った言わない”の水掛け論になることを防ぐために、第三者による証明を利用します。

●内容証明郵便の注意点1

内容証明郵便はあくまで私信ですので、裁判の判決のような法的拘束力を持つものではありません。あくまで内容証明郵便を送ることによってあなたの主張・権利関係を証拠が残る形で相手に伝え、そのうえでその後の法的手段における証拠とするものです。一部では内容証明郵便を送れば問題がすべて解決するかのように誤解されていますが、内容証明郵便はそのような絶対的効力は持ちませんので注意が必要です。

●内容証明郵便の注意点2

内容証明郵便はあなたが書いた内容がすべて証拠として残ります。これは裏を返せば内容証明郵便にあなたに都合の悪いことを書いてしまうとその点はあなたが認めたとして逆に相手に利用されてしまう恐れがあります。また文言によっては相手が脅迫と受け取り、脅迫の証拠とされてしまう危険性もあります。そうしたトラブルを回避するためにはやはり専門家のアドバイスを受けた内容証明を作成する必要があります

●内容証明郵便の利点

それではなぜ、内容証明郵便がこれほど広く利用されているのか、と言いますと、やはり専門家が支援して法的手段も辞さないというあなたの強い姿勢を相手に伝えることができ、相手から早期の解決への協力が期待できるからです。たとえば友人への貸し金の回収でも、友達同士のなあなあではすませない。いざとなれば裁判所からの督促や給与の差押さえ等の強制的な手段をとる可能性があると思わせることで、相手が折れてくることもありえます。


Q敷金が返ってきません。原状回復費を追加請求された!


A.昨今、様々な判決が出て、注目されている敷金の返還ですが、まず大前提としてご理解いただきたいのは、契約書の特約がすべて無効になるということではないということです。                                裁判においては、特約について一定の基準があり、                                ●特約の必要性や特約の存在に客観的、合理的理由が存在すること。
●賃借人(借主)がその特約によって義務を負うことを認識していること。
●賃借人がその特約による義務や負担の意思を明確に表示をしていること。                    という条件を満たしているかどうかが問題になります。(もっともこの特約の要件はかなり厳格に判断されますので、単に契約書に署名捺印しているだけであれば、後述のように了解しているとは一概には判断されないため交渉は可能です。)


さらに、これらの特約が否定される根拠として、あくまで一般の借主の場合ですが、賃貸借契約の締結時に借主の自由な意思が制限されている(要するに用意された契約書を渡されて、それに署名捺印しなければ部屋を借りられない)という事情を鑑みて、消費者契約法第10条の「消費者の権利を制限し(中略)消費者の利益を一方的に害するものは無効とする」という条文に基づく判断も主に少額訴訟で多く見られます。


例を挙げますと、よくある請求としては畳やフローリングの張替え、壁紙・ふすまの張替えですが、賃借人は善良なる管理者の注意義務(善管注意義務といいます)を果たしていれば、交換費用は賃貸人(大家)の負担です。しかし、壁やふすまをに穴を開けり、畳にタバコの焼け焦げをつけたなどの賃借人の故意・過失により通常の使用ではありえないキズをつけた場合は費用負担しなければなりません。(家具によるへこみは生活上必要な家具であれば、また畳やフローリングの日焼けは通常損耗と判断されることが多いです。)


非常に多いのがルームクリーニング費用の問題です。
これは国土交通省のガイドラインによりますと、「退去時に室内を通常清掃をした上で、排水溝を詰まらせたり、ガスレンジや換気扇を油まみれのまま放置したりしたのでなければ」原則として支払う必要はありません。それ以上の清掃は次の入居者を獲得するためのものとして、賃貸人(大家)負担です。
仮に賃貸借契約書に「ハウスクリーニング費用は敷金から差し引く」と書いてあって、それに署名捺印していても、前述の消費者契約法10条に基づき、無効との判断がなされています。


Q内容証明郵便で敷金は取り返せる?


A.内容証明郵便で敷金の返還請求を行うことは可能です。(当方でも作成しております)ただし、内容証明郵便を送るということは、相手に対する宣戦布告のようなものです。そのため、これは最後の手段だと考えていただきたいと思います。そして、事がそこまで至った以上は少額訴訟・通常訴訟を起こしてでも、敷金を取り返す、という強い意思が必要です。内容証明郵便を送っても、ご本人に戦う意思がないと見抜かれると、相手はこちらを舐めてかかります。またすぐに裁判にならなくても、最終的に折り合いがつかなければ法廷に持ち込むことになります。逆に言えば、裁判にしてでも取り戻すという覚悟を決めているからこそ、内容証明郵便によってその意思を伝えることで相手がそれなりの態度を示してくるものだと思ってください。


Q相手方との交渉や少額訴訟・通常訴訟の手続きもやってくれるの?


A.申し訳ございませんが、行政書士が可能なのは、お客様のご要望に沿った形で内容証明郵便を作成するところまでで、直接代理人として相手方と交渉したり、裁判の手続きを行うことは法律で認められておりません。しかし、通常の大家であれば、内容証明郵便を送る段階にいたったところで請求を取り下げる可能性は十分にありますし、最近では裁判所も本人訴訟(代理人を立てない裁判)の少額訴訟については丁寧に対応してくれますので、ご本人様でも十分手続きが可能ですし、裁判を戦うことは可能です。


Qじゃあ、最初から弁護士に頼んだほうがいいんじゃない?


A.たしかにその通りですが、弁護士に相談と内容証明郵便の作成を頼めば数万円、訴訟代理まで依頼すれば数十万円の費用がかかり、敷金の返還分よりも費用の方が多くなってしまうのが実情です。裁判で勝っても弁護士費用は訴訟費用としてはほとんど認められませんので、実質的な持ち出しとなってしまいます。裁判所というところは決して敷居が高いものではなく、特に敷金の返還程度の問題であれば、裁判所の言う市民感覚でも十分に主張をとりまとめることができます。私としては法的に無知で専門家に手玉にとられる市民ではなく、いざというときには少なくとも全面降伏せず、きちんと主張すべきことを主張できる市民になるお手伝いができればと思っています。