大阪府警、アニメ演出家に謝罪…ＰＣ遠隔操作事件

　パソコン（ＰＣ）の遠隔操作事件で、大阪府警は２１日、インターネット上で殺人予告をしたとして誤認逮捕した大阪府吹田市のアニメ演出家北村真咲さん（４３）＝起訴取り消し＝に謝罪した。

　府警捜査１課によると、仲野晃弘刑事部参事官と事件を担当した捜査１課の課長補佐の２人が２１日午後４時から約１時間半、茨木署で北村さんと家族に面会。「犯人でないのに逮捕してしまい非常にご迷惑を掛けた」と謝罪し、真犯人の特定に向け捜査すると伝えた。

　捜査１課は、北村さんが報道機関向けに「否認しているのに実名報道したことについて憤慨している」とコメントしたとする一方、やりとりの詳細は北村さんの意向で公表できないとしている。

　一方、北村さんの父親は共同通信の電話取材に「（謝罪の内容は）警察に聞いてほしい。何も言うことはない」と答えた。

　府警の岩本俊行刑事総務課長は「このような事態を招き申し訳ない。真犯人の検挙に向けて捜査を尽くす」とのコメントを発表した。

　北村さんは、殺人を予告するメールを送り、大阪市職員らの業務を妨害したとして、８月に府警が威力業務妨害容疑で逮捕。業務妨害罪に切り替え起訴された後、ＰＣが遠隔操作ウイルスに感染していたと分かり、９月２１日に釈放された。一貫して「身に覚えがない」と否認していた。

　ＰＣ遠隔操作事件をめぐっては、今月１８日に警察庁の片桐裕長官が誤認逮捕を認め、大阪地検は翌１９日、北村さんの起訴を取り消した。三重県警や神奈川県警、警視庁がそれぞれ誤認逮捕した男性に謝罪した。

（2012年10月21日21時09分  スポーツ報知）

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