パソコン遠隔操作事件で、警視庁は21日、お茶の水女子大付属幼稚園（東京）と有名タレント所属事務所に襲撃予告や脅迫のメールを送ったとして逮捕した後に釈放した福岡市の男性（28）に対し、誤認逮捕だったことを認めて謝罪した。

　川原博夫・刑事部参事官ら警視庁幹部３人が同日午後２時ごろ、男性宅を訪問し、約10分間にわたって謝罪した。

　川原参事官は謝罪後、報道陣に「大変なご迷惑、ご心労をおかけしたことを謝罪した」と説明。男性から「犯人は卑劣だ。何としても犯人を捕まえてほしい」との要望があったことを明かした。

　警視庁によると、男性は一時容疑を否認したが、その後容疑を認めるなど供述を変遷させていた。警視庁が19日に改めて事情を聴いたところ、男性は「同居の女性がやったと思い、かばうために作り話をした」と容疑を認めた経緯を説明。川原参事官は、取り調べが適正だったかどうかについて「今後しっかり検証していく」と述べた。

　警視庁は９月１日、幼稚園に対する威力業務妨害容疑で男性を逮捕。同月27日に男性のパソコンが遠隔操作ウイルスに感染した形跡が確認され、東京地検は男性を処分保留で釈放した。地検は嫌疑なしで男性を不起訴処分にするとみられる。

　一連の事件では警視庁、大阪府警と神奈川、三重両県警が無関係の４人を逮捕した。三重、神奈川の両県警は既に男性（28）と少年（19）にそれぞれ謝罪した。