横浜市のホームページに市内の小学校に対する襲撃予告が書き込まれた威力業務妨害容疑事件で、神奈川県警の捜査員が、容疑を否認していた東京の大学生(19)に対し、「名前が公に出る心配はない」「早く認めたほうが有利だ」といった趣旨の発言で、自供を促していた疑いがあることが警察当局などへの取材でわかった。
■上申書作成、誘導か
取り調べの過程では、犯人と捜査当局しか知り得ない内容が含まれた上申書を大学生が出していたことも判明。警察当局は大学生が認めた経緯や上申書の作成に誘導があった可能性が高いとみて検証を進める。
警察庁は大学生の逮捕は誤認だったと判断し、大学生に謝罪する方針を決めている。一方、神奈川県警は、取り調べ中の捜査員の発言について調査中だが、現段階では「誘導は確認されていない」としている。上申書についても「大学生が書いた」として、捜査手法に問題はなかったとの立場を変えていない。
捜査関係者によると、この事件で県警は、IPアドレスから大学生のパソコンが発信元と特定。捜査員が任意同行を求めると、大学生は「全く知らない」と容疑を否認した。捜査員は任意の調べの中で「君は未成年で名前が(公に)出る心配はない」「早く認めれば処分も有利になる」といった趣旨の発言をしたという。