鳥栖−名古屋 前半ロスタイム、先制点のゴールを決め喜ぶ名古屋・永井(右)=佐賀県総合運動場陸上競技場で(佐伯友章撮影)
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名古屋グランパスは鳥栖を3−1で下し、勝ち点45とした。前節2位の仙台はウイルソンが2点を奪う活躍で浦和を3−2で振り切り、勝ち点を54に伸ばし、柏に1−2で敗れた首位広島と勝ち点で並んだ。3位の浦和は同48のまま。残留争いは大宮−新潟が1−1で引き分けて、大宮が勝ち点33の15位、新潟は同31の17位。G大阪は家長が2得点するなど、川崎に3−2で競り勝って同32の16位に上がった。
◆名古屋3−1鳥栖
快勝劇の始まりは永井の“凱旋(がいせん)ゴール”だった。前半ロスタイムの左コーナーキック。「一度ジャンプして、気がついたら目の前にボールが転がってきた」。千載一遇の好機を逃さなかった。とっさのスライディングでゴールへ押し込んだ。
「自分ではスランプという感覚はありませんでしたが、ずっと入っていなかった。得点できてよかった」。Jリーグでは6月30日の横浜戦以来となる約4カ月ぶりの今季9ゴール目に、笑みがこぼれた。
スタンドには大応援団がいた。佐賀は妻の実家がある特別な場所。福岡大や九州国際大付高時代の友人らも駆けつけた。永井を学生ナンバーワンのストライカーに育てた福岡大の乾真寛監督は「ハイエナのようにゴールを奪うのは、永井らしい」と目を細めた。
永井は「九州で試合ができるのは幸せ。こういう機会はなかなかありませんから」。アウェーの佐賀が、永井にとってはホームと化していた。
後半22分には永井の右サイドからのクロスをきっかけにダニルソンの2点目が生まれた。先制弾と合わせて2得点にからむ活躍で、故郷に錦を飾った。
15日には皇居で開かれたお茶会に五輪代表として出席。天皇陛下から直々に言葉をかけられたという。「ありがたいこと。励みになります」と永井はにこやかに言う。
ロンドンで世界に衝撃を与えた勝負強さが永井に再び宿り、チームは6位に浮上。アジアチャンピオンズリーグ(ACL)出場権を得られる3位の浦和との勝ち点差を「3」に縮めた。残り5試合。永井とグランパスが追い込み態勢に入った。 (木村尚公)
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