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川内村、来年は稲作再開 旧準備区域4市町村で初

 福島県川内村が来年、福島第1原発事故によるコメの作付け自粛を村内の旧緊急時避難準備区域で解き、稲作を再開することを決めた。村議会が18日の臨時会で農家のもみ購入費を全額負担する2012年度一般会計補正予算案を可決した。再開は2年ぶりで、同区域に指定された県内4市町村では初めて。
 購入費は約410万円で、うち村が3分の2、残りを地元のふたば農協が負担する。対象水田は196ヘクタール。村は旧緊急時避難準備区域と旧警戒区域に分かれ、今回は旧準備区域に限り、旧警戒区域は自粛を続ける。
 村は旧準備区域の水田218カ所の土壌を分析し、1キログラム当たりの放射性セシウムが1000ベクレル以下にとどまるのが78%を占める結果を得た。8割の水田で除染が完了し、再開を決めた。
 同村上川内の秋元美誉さん(69)は水田3.5ヘクタールを耕作していた。「ようやく作れる。仲間の農家も徐々に戻るだろう。風評被害が心配で、売れるかどうかはこれからが勝負だ」と話した。
 旧準備区域の4市町村は川内村のほか、南相馬市と田村市、広野町でいずれも作付けを自粛している。来年について南相馬市は「再開したいが未定」、田村市は「全く決まっていない」、広野町は「自粛解除に向けて動いているが、決定に至っていない」としている。


2012年10月19日金曜日


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